「新生VAIO」はどんなPCになるのか 「4つのポイント」から大胆に予想
そして4つめのポイントは、技術集約型のビジネスモデルを志向する、ということだ。新生VAIOでは製造過程でODM(独自デザインの受託開発業者)をこれまで以上に活用するが、生産量・調達量の小さな企業にとって、ODMの活用は不利な点もある。開発拠点である長野県・安曇野の本社とODMの有機的な活用が課題であることは、新生VAIOの関係者全員が認めることである。
他方で赤羽氏は「技術力のあるサプライヤーは、最新技術をいち早く立ち上げることで訴求したいという気持ちもある」と語り、ODMやパーツサプライヤーから、高付加価値な製品を調達する構えだ。
そのためにも、VAIOを通じて特別なモノ作りを経験してきた多数のエンジニアを擁する、安曇野のノウハウを有機的に生かす。新生VAIOは240名という、ソニー時代の5分の1以下の人数になった。だが、今回の会見にも、ソニー・VAIO時代にヒット商品を手がけたエース技術者・商品企画者が、「VAIO株式会社」のコアメンバーとして顔を揃えていた。チームの個性を生かすことが、他社との最大の差別化になるだろう。
他方、従来の「ソニーとの連携」は弱まる。部材や技術などの面で「ソニーとの関係は続く」(関取社長)としているが、商品性をぶらしてまでソニーの家電との連携を維持する必要はなくなっている。
第一世代は保守的な製品か?
このように考えると、新生VAIOは。「B2Bを意識した高級・高信頼性ノートPC」「こだわりのある人が購入する軽量モバイルノート」といった、日本でヒットしたかつてのVAIOをより突き詰めた製品になる、と考えるのが自然だ。「PCの道具としての価値」という言葉を多用するところを見ると、単純なタブレット的PCはなく、キーボードやペンなどの入力部分にこだわっているだろう、と予想できる。
もちろん、こんな予想を吹っ飛ばす「驚き」があれば、それに越したことはない。だがおそらく、新生VAIOがまず目指すのは「PCアーキテクチャを使った見たこともない機器」ではなく「誰もが頷くPC」になるだろう。「新生VAIO第一世代」は、洗練されているが意外と保守的な製品になるかも知れない。しかし、「納得してお金を払う」方向性であれば、そう考えるのが自然だ。
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