ソニー、テレビにAndroidを全面採用 今村社長が語るブラビア復活への道筋
7月1日、ソニーのテレビ部門のみを切り出した子会社「ソニービジュアルプロダクツ」が誕生する。100%出資の子会社として事業運営されることになるが、果たして過去10年に渡って慢性的な赤字を解消できなかったソニーのテレビ部門が、分社化で立て直しを図ることはできるのか。
ソニーのテレビ部門トップで、新会社の社長に就任する今村昌志氏は6月30日、黒字化だけでなく、さらに先の事業展開に対して意欲を語った。この中で今村氏は、先日発表されたグーグルのテレビ向けAndoridディストリビューションについても言及。今後発売するソニー製テレビには幅広いモデルレンジでAndroid ”L”をベースにしたシステム開発が行われるという。
昨年より市場が拡大し始めた4Kテレビの低価格化も進んでいる。懸案の黒字化とともに、どのようにして”BRAVIA”ブランドを差異化していくのだろうか?
縦糸と横糸をうまく組み合わせたい
今村氏は「ソニーは垂直統合で独自技術をつなぎ合わせ、ユニークな製品を作ってきた。しかし今はそうした時代ではない。垂直だけでなく、水平方向の技術も活用しなければならない。縦糸と横糸をうまく組み合わせ、1枚とタペストリーを作るようなものだ」と話す。
端的な例がディスプレイパネル。サムスンと合弁で設立したS-LCDを手放して以降、ソニーはテレビ向けディスプレイパネルの生産から手を引いている。しかし市場には多くの液晶パネルメーカーがあり、そこから市場環境に適したパネルを選んで採用できる。こうした要素を今村氏は「横糸」と呼んでいる。
これに対して、他社よりも優れたダイナミックレンジ拡張技術、ローカルディミング技術、超解像技術、広色域技術、高音質化技術など、商品そのものの体験を高める要素を「縦糸」と呼ぶ。横糸と縦糸。これをどのように選び、組み合わせるかがテレビ事業を行う上では重要というわけだ。
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