「雑談で笑いを取れない人」が知らない基本原則 日常の出来事を「おもしろい話」にするポイント

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メガネ男子が抱いていたリアルな感情を、まったく予想していなかった人が多かったんじゃないでしょうか。人によっては、「そんな感情を抱いていたの?」と驚くどころか、思わず「おいメガネ男子! 足を踏まれただけで、何ずっとときめいてるんだよ(笑)!」とツッコミを入れてやりたいと思った人もいるのではないでしょうか。それこそ、「ズレたカツラ理論」が成立している証拠です。

とくに注目してほしいのが、「ポジティブな感情を持った瞬間」の多さです。この話の中では、ポジティブだったりネガティブだったり、話し手の感情が揺れ動いていく変化も感じられるので、当初の「そうだろうな」という予測の会話よりも、数段「おもしろく」感じるポイントが増えています。

普通にしているだけで、人は予想を超えている

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まず、今回のように、人間のつねに揺れ動くリアルな感情というのは、他人が表面的に行う推測と決して一致するものではありません。一致するかもしれませんが、一致したところでそれは「そうなんだね」となるだけで、スベるわけでもありません。

ここで描いたようなメガネ男子の感情ほど詳しく描写することは難しくても、自分が「ここはとくに強烈な感情を抱いた」箇所だけでも、感情と行動をセットで丁寧に描写して人に伝えさえすれば、おもしろい話は生まれやすいと言えます。

要するに、行動だけでなく、「その時自分にどんな感情が生まれたか」を自分なりに描写して話すということです。

ここまでやると、独自性も高まり、「それ、どういうことなの?」と他人が興味を抱かざるをえないポイントが生まれます。これこそが、「ズレたカツラ理論」を日常会話の中で成立させるためのポイントなのです。

渡辺 龍太 放送作家、即興力養成講座講師

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わたなべ りょうた / Ryota Watanabe

幼少期から口数が極端に少ない性格だったが、アメリカ留学時に受けたインプロ(即興力)がきっかけとなり、以降日本人向けの即興力研究に注力。帰国後、NHKのディレクターに就任。番組出演者への即興力アップの指導も開始。現在は大手芸能事務所「浅井企画」のプロ芸人向けのアドリブ講座や公開講座でインプロ講師としても活躍中。

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