誘拐される子供に共通する「ある趣味」の正体 犯罪者との接点はSNSやゲームから生まれる
家出願望がある少女に対して善人を装い優しい言葉で近づき、誘拐・監禁する……。もちろん悪いのは犯人である男です。少女を責めることはできません。ただ、SNSやオンラインゲームで知り合っただけでは、少女は誘拐されたり、監禁されたりすることはなかったはずです。
何が言いたいのかというと、“最後に行動を起こすのは子ども自身”だということです。これは、親と子でのネットリテラシーの差が如実に表れた事件だと思います。子どもにスマホを買い与える際に、アダルト関連や違法サイトなどの有害情報を見られないように制限しただけで安心している親がほとんどではないでしょうか。
子どもがスマホで何をやっていたのか、事件後に親は初めて知って驚くのです。13歳未満の子どもは自分のGoogleアカウントを持てません。親の皆さんが子どもにゲームをさせるためだけの目的でアカウントを子どもに渡し、子どもは親のアカウントでゲームをやっていたはずです。
ゲームをやらせている以上、少なくとも親御さんは、日頃の親子の会話の中で、子どもが自分のアカウントでどんなゲームをしているのか、アカウントを持たせることでどんなことができるのか、SNSをどんなふうに利用しているのか、知っておいてほしいのです。
「知らない人とゲームをする」のは止められない
わが家でも会話の中で危険性を伝えています。例えばオンラインゲームをしている息子に「何やってんの?」と聞くと「○○」とゲーム名を言います。
「知らない人とゲーム一緒にしてない? 会ってない?」
「ゲームはしてるけど、会ってはいないよ」
「ゲーム上で知り合った人とは会うなよ」
というように。だからといって、「知らない人とゲームをするな」というのは、現実的ではありません。実際、アンケートでは「知らない人とゲームをしたことがある」と答える中学生は7割もいます。
「知らない人とゲームをするな」というのは、「オンラインゲームをするな」ということと一緒です。オンラインゲームをすることを許す以上、知らない人とゲームをするな、というのは現実的に無理なのです。ですから最低限、「ゲーム上で知り合った人とは会わない」ことをルールにする必要があります。
ゲームをする目的は何なのかを明確に持たせることも大切です。「なんでオンラインゲームをやっているの?」と聞いたら、「楽しいから」と答える子がほとんどでしょう。
「それはわかるけど、ずっと楽しいことだけやっていていいのか」という話になりますよね。頭ごなしにダメ、と禁止するのではなくて、子どもを納得させる必要があります。なぜ長時間ゲームばかりやることがダメなのか。ゲームでコミュニティーを作っている子もいるかもしれない、プログラミングへの興味につながる子もいるかもしれない、eスポーツの選手になりたい子だっているかもしれません。
オンラインゲームに関しては、明らかに子どものほうが詳しいはずです。それならば、親もオンラインゲームをやってみましょう。子どもと一緒にゲームをすればいいのです。たとえ興味がなくても、子どもを守るためです。頭ごなしに否定せず、ゲーム上ではどんな状況があり得るのか、どんな危険があるのか、どうしてそこまでハマるのか(やってみると意外と面白かったりします)がわかるでしょう。
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