誘拐される子供に共通する「ある趣味」の正体 犯罪者との接点はSNSやゲームから生まれる

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「助けてあげるよ」「協力するよ」「迎えに行ってあげるよ」

こんな甘い言葉をかけてきます。女子生徒はそのうちの一人の大学生と連絡を取り、車に乗っていました。結果的に女子生徒は無事保護されましたが、彼女は最後まで「大学生はいい人」だと言っていました。

一方、大学生は「性交渉が目的だった」とはっきりと供述しています。また、2019年10月、ツイッターに家出願望を書き込んだ14、15歳の少女3人を自分のところに来るように誘い出し、借家に住まわせるなどした男が、「未成年誘拐」の罪で逮捕された埼玉県の事件もありました。

「未成年者誘拐」で捕まった男たちは、ほとんどが「俺、誘拐していませんよ」といいます。でも、子どもを連れまわしたことを認めた時点で、未成年者誘拐です。

14歳未満を親(保護者)の承諾なしに連れ出したら、子どもが自分の意思で来たにせよ、「未成年者誘拐」になります。これを犯罪者はもちろん、親も知らないことが多いのです。

ちなみに16歳以上18歳未満でも親の承諾なしに深夜(夜11時〜早朝4時)に連れ出した場合、青少年保護育成条例の違反になります。

子どもたちが犯罪に巻き込まれてしまう理由

「#淋しい」「#自殺したい」といった書き込みの女子高生を探して自宅に連れ込み、性犯罪を犯すのも代表的な手口の一つです。

2017年10月に神奈川県座間市で男女9人が殺害された事件は、SNSに「死にたい」などと自殺願望を書き込んだ若者が狙われました。犯人は「金と欲のためにやった。心が弱っている子を狙ったほうがラクだと思った」と供述。「ツイッターはかかりがいい」とも述べています。

昔から自殺願望がある若者はいました。誰でも一度くらいは、自分を見てほしい、注目されたい等の理由で「自殺したい」と思うことはあるでしょう。でも、本心では自殺したいとは思っていないですし、自殺したいと言えば、周りが心配してくれるということを実感したいからだったりしますよね。

昔はそれが事件に発展しなかったのは、今のようにアウトプットする場がなかったから。でも今は、不特定多数の人に「自殺したい」とアウトプットできるのです。そこにガーッと群がってくる大人たちがいるということです。どこかで「注目されたい」という欲求がある自殺願望者が、それに巻き込まれてしまうというわけです。

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