維持費の安い回線を入れておけば、いざというときだけそちらに切り替えて使える。筆者のケースだと、普段は楽天モバイルだが、新規参入キャリアのため、どうしてもエリアには抜けがある。建物の地下で圏外になることも、まだまだ多い。そんなときには、IIJmioのeSIMをオンにすれば、データ通信がつながるケースがある。同社はドコモから回線を借りているからだ。IIJmioは従量制の「データプラン ゼロ」というプランで、維持費は月額150円。1GB追加しても450円で済む。
切り替えが簡単なため、普段はpovoやLINEMOをeSIMで使いつつ、どうしてもauやソフトバンクの電波が入りづらかったり、十分な速度が出ないときや、20GBを超えてしまったときだけ、IIJmioや楽天モバイルに切り替えるといった使い方も考えられる。eSIMは、エリアやデータ容量を補完するためのバックアップとしても活用できるというわけだ。
日本にいながら海外キャリアとも契約できる
eSIMを提供しているのは、日本のキャリアだけではない。どちらかというと、海外のほうが先行している状況で、アップルのサイトにはeSIMに対応したキャリアの一覧が掲載されている。時間や場所を問わず契約できるのがeSIMの魅力。国をまたぎ、日本にいながらにして、海外キャリアと契約することも可能になる。
日本では珍しいが、海外には国際ローミングを専用にしたキャリアがあり、割安な料金で通信を提供している。コロナ禍で海外渡航の機会は激減してしまったが、こうしたキャリアをeSIMで使えることは、覚えておいて損はないだろう。
例えば、NTTコミュニケーションズ傘下のTransatelが提供するUbigiは、フランスなら3GBで8ドル、スペインなら3GBで7ドルと、リーズナブルな国別のプランを用意している。同様に、KDDI傘下のソラコムが提供するSoracom Mobileも、ヨーロッパが1GBで6.99ドル、北米が1GBで12.99ドルと、使い方によっては大手キャリアの国際ローミングより料金は安い。
コロナ禍で当面海外渡航は難しいかもしれないが、キャリアによっては日本で国際ローミングすることも可能。日本にいながら海外キャリアと契約し、ローミングで使うというのはまさに裏技といえるだろう。一般的には日本のキャリアで直接通信するよりも割高になってしまうが、料金プランによっては、あえて利用するメリットがあることも。1日定額は、その代表例といえるだろう。
ルクセンブルクに拠点を構えるMTX Connectは、1日定額プランを9.95ユーロで提供している。ビデオ会議などが続き、データ通信を大量に使うようなときには、このプランを契約すれば、普段使っているキャリアのデータ容量を消費しなくて済む。同様の1日定額プランは、KDDIのpovoがトッピングとして提供する予定だが、それ以外のキャリアを使っているときには役に立つ。日本のキャリア以外の選択肢が増えるのも、eSIMの魅力といえそうだ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら