子の学力上げたい親が知るべき「運動の重要性」 人は身体を動かすことで脳の発達が促される

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子どもの成長には運動が大事だとわかっても、実際にはどんな運動をすればいいかわからないという人も多いと思います。とくに現在は新型コロナウイルスの影響もあり、制約のあるなかでの生活を余儀なくされ、大人も子どもも運動機会が減少しています。

事実、OECD(経済協力開発機構)をはじめ、多くの調査機関から日本など先進国で「子どもの運動時間、身体を使った遊びの時間が減っている」という報告がされています。

ここで誤解してはいけないのは、必ずしも「運動=スポーツ」ではないということ。ルールのあるスポーツだけが運動ではありません。

大人の場合、通勤で階段や坂道を歩く、買い物をする(荷物を持つ)、洗濯物を干すというように、日常生活の中にも運動はたくさんあります。子どもの場合は、スポーツに必要なスキルなど何も考えずに遊ぶだけでも十分な運動になります。ノンシステマティックにいろいろな遊びをすることで、身体が勝手に動きを吸収していきます。

日常生活の中に運動機会を取り入れる

「追いかける」「逃げる」「転ぶ」「駆け上がる・下りる」「投げる」「捕る」「打つ」「押す・引く」「よける」「切り返す」……無意識で遊んでいても、身体はいろいろな動きをしています。

坂や崖を登るような経験は、都市部では作りづらいもの。こうして坂を作ってあげるのもひとつの手だ(写真:IWAアカデミー)

日常生活の中に、こうした運動機会を取り入れることが、子どもには必要。それぞれの動作を上手にできるかどうかよりも、まずは機会を与えることが大事なのです。

運動機会を与えれば、子どもは自分の意思で夢中になって取り組み、うまくやるための身体の動かし方を勝手に覚えていきます。

ここで気をつけたいのは、「ああしなさい」「こうしなさい」と、大人が過剰なアドバイスをしてしまうことです。大人は安全を確保して見守っていれば十分。自主的に遊びに取り組むことで、子どもの集中力はどんどん深まっていきます。

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