ストレス解消の第一歩は「朝の行動」の改善だ 脳、睡眠、運動、食事を整えストレスフリー実現

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同社の藤井薫・HR統括編集長は「テレワークでは効率性が重視され、(気分転換になる)雑談などの場面が失われがち。また、『私でなくてもいいのでは』と、自らの存在性が揺らいでおり、それもストレスになっている」と分析する。

とくに、年代が上がるほどストレス解消ができていない割合が高い。テレワークで生じたストレス解消ができたと回答した人は20代では41.4%いるが、50~60代は16.4%にとどまった。藤井・HR統括編集長は「雑談のあり・なしでストレス解消度合いに差が見られる。50~60代はチャットなどでの業務外の会話が少ないことが影響しているのでは」と指摘する。

睡眠にも悪影響が及ぶ。スタンフォード大学医学部の西野精治教授が代表取締役を務めるブレインスリープが昨年の緊急事態宣言下で行った調査によると、働き方に変化があった人ほど就寝時間、起床時間が遅くなり「夜型」の生活になった。在宅時間の増加で睡眠時間は長くなった一方、睡眠の質は悪化したと感じている人が増えたこともわかった。

従来のストレス発散法は難しい

一方、コロナ禍で、ストレス発散の方法にも影響が出ている。従来からあるストレス解消法の代表例として、同僚や友人との外食・飲み会やカラオケ、ライブやイベントへの参加などが挙げられるが、いずれも感染予防の観点から制限がかかっており、実践が難しい現状がある。

そんな中、ストレス解消や疲労回復をどのように行っていけばよいか。その答えのひとつが、運動や食事、睡眠、脳の状態の改善によってストレスが生まれにくい体をつくりあげていくことだ。

冒頭のように運動不足で下半身の筋肉が減った人は、心肺機能が低下して血行が悪くなった状態にある。前出の中野氏は、この状態を抜け出すために、まずは息が弾む程度のウォーキングやランニングを毎日30分以上行うことを勧める。外に出るのが難しいなら踏み台昇降でもOKだ。

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