「見た目外国人」の彼が職務質問受けやすいなぜ 「外国人=違法行為をしている」という先入観

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私が初めて日本に移住したのは2004年だったと記憶している。当時付き合っていた女性が遊びに来た時は、駅まで自転車で迎えに行って彼女を乗せた。彼女には、自転車のハンドルバーに乗ってもらい、私は駅からちょっと先のアパートまで自転車を漕いでいた。

ある夜、警察官が私の行く道に現れて、私は自転車を止め、彼女もハンドルバーから飛び降りた。これが、私が初めて日本の警察と関わった出来事だったが、どう感じていいのかわからなかった。ひどい扱いを受けるかもしれないと心の準備をしたが、警察官の反応は予想外だった。

何もしなかったのだ。

警察官は私がそこにいないかのように、まるで私が違反行為をした人間ではないかのように振る舞った。そして警察官は私の彼女に対して話しかけ、目線を合わせたのだ。私のことを話しているのに、私はそこに存在していなかった。

2人は私のことを3人称で話して、ハンドルバーに乗る行為の危険性(と違法性)について話していた。彼女は怒られ、私の行いを一生懸命謝っていて、まるで彼女が私に関して責任を負っているようだった。彼女のペットの外人が交番の外の歩道に糞をしたみたいに。彼女は何度か頭を下げ、そしてそれでおしまいだった。

16年間で4回警察に引きとめられたときも、似たようなものだった。私と警察のやり取りはまったく過剰になることはなく、不公平にハラスメントを受けたと感じたこともなく、アメリカで頻繁すぎるほど起きている取り扱いに比べたら(比較することは嫌だが)、日本では怒ることもない。

しかし、これは私の個人的な経験である……ほかの多くの非日本人、多人種の血を引く日本人で、日本に住んでいる人たちはまったく違う経験をしているらしい。表側さんが東京駅で経験した出来事の動画がアップされて以来、非常に多くの人が警察によってハラスメントを受け、差別された話を私に教えてくれた。私が警察にそのポリシーについて問いただしたくなることばかりだった。

警察からの「回答」

そこで、私は警視庁に質問することにした。警察官が職務質問をする基準をどう設けているかについてだ。例えば、警察官は外国人、特に黒人に対して偏った見方をしていないか、服装や髪型で決めつけてはいないか、所持品検査をする基準は何か、そして警察ではハラスメントに対する教育を職員にしているのか、どうすれば、外国人やそう見えてしまう人が不要な職務質問を避けることができるのか、といったことだ。

そして警察からは以下のような回答が来た(ちなみに、私のようなフリーランスが警察に質問することはできず、掲載媒体から文書で要請する必要があった)。

「街頭における職務質問や所持品検査を始め、警察官が行うあらゆる職務執行は常に法令上の根拠に基づき、適正かつ公平、忠誠に実施しているところでございます。引き続き都民、国民の期待と信頼に応えるべく、職員に対する指導、共有をしてまいります」

バイエ・マクニール 作家

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Baye McNeil

2004年来日。作家として日本での生活に関して2作品上梓したほか、ジャパン・タイムズ紙のコラムニストとして、日本に住むアフリカ系の人々の生活について執筆。また、日本における人種や多様化問題についての講演やワークショップも行っている。ジャズと映画、そしてラーメンをこよなく愛する。現在、第1作を翻訳中。

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