本を読むなら「寝る前の2時間」がいい納得理由 読んだつもりですぐ忘れる読書から脱するコツ

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ではどういう条件で脳のパフォーマンスは上がるのでしょう。実はパフォーマンスを上げるためにあえて何かをする、というよりも自然に脳のパフォーマンスが上がる条件がある、といったほうが正しいかもしれません。

先ほど脳のパフォーマンスには好不調の波があると言いましたが、好調のときがいつなのかがわかればこれは願ってもないことです。そのタイミングに合わせて動けばいいだけだからです。

そのヒントは原始時代にあります。原始人の生活から脳が働く性質を読み取ることができるのです。原始時代において当時の人たちは現代に暮らすわれわれと比べ身の回りには生命の危険に関わる条件が多々存在していました。生き延びるために生命の危険に関わる情報に対しては非常に敏感だったはずです。

東京大学薬学部教授・池谷裕二氏によると、その中でも極めて重要だったのが食料の確保です。飢餓状態を回避することが生活における優先事項であったのは間違いありません。

食料の確保が必要なときというのはつまり空腹のとき。空腹が食料確保に動く1つのサインだったのでしょう。そのタイミングで脳がいちばん働くような仕組みに必然的になっていったというわけです。

反対に食事により空腹が満たされれば脳は充足を感じて働きを低下させてしまうことになります。その脳のメカニズムが時を越えてわれわれの脳の中にも残っているのです。

そうであれば、現代人のわれわれも食事というのを1つの目安として脳のパフォーマンスが高まる時間帯を割り出すことができることになります。朝食、昼食、夕食、これらを基準とするならば、早朝、午前中、夕方、就寝前という時間帯が浮かび上がってきます。

読書にいい時間は、AM、夕食前、就寝前

読書もこの時間帯のいずれかの時間帯の中で行うことができれば合理的というわけです。ただし注意が必要なのはそれぞれの時間帯にはそれぞれ性格があるということです。

例えば早朝であれば、いくら食事の前とはいえ、やはり起き抜けということもあり、脳の働きはまだ万全ということにはなりません。パフォーマンスもほかの時間帯に比べれば落ちます。

次に午前中ですが、この時間帯が1日の中で最も頭の働きがよくなる時間帯となります。できるならこの時間帯での読書はおすすめです。昼食を取ると、脳は充足を感じてその働きを低下させます。そしてこの状態はしばらく続きます。

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