「仕事がまるで続かない」私が見つけた苦悩の源 永田カビさんが赤裸々に自分を描く真意
漫画のなかでは、読者に読んでもらう作品として成立させるために、自分のなかに起きた変化があれば、強調して描くようにしています。そうしないと漫画としておもしろくならないですから。でも、私生活では、「自分を変えよう」「変わらなきゃ」という気持ちはほとんどありません。「自分はヘンかもしれない」と思っていても、人にはそれぞれいろんな思考の歪みがあるはずです。それをムリに治したり、変えたりしなくてもいいと思いますよ。
――ありがとうございました。
(聞き手・編集、伊藤歩・茂手木涼岳)
取材後記「必死で生きている人に会いたくて」
私が永田カビさんにお話をお聞きしたいと思ったのは、永田さんの漫画に共感したからです。不登校を経験し、その後社会人になったものの、仕事での人間関係がツラく、行き詰まった私は、生きづらさを少しでもなくすために、「コミュニケーションのハウトゥー本」や「闘病エッセイ」などの本を手あたりしだい読んできました。
そんなとき、永田さんの『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』に出会い衝撃を受けました。とくに「自分には〇〇する資格がない」という言葉に強い共感を覚えました。
また、私のように劣等感を持ちながら生きることについて「ダメな自分でも受けいれて生きよう」というような指摘が多いように思います。しかし永田さんの本には「ダメもとでもあがいてから死んでやる」と描いてありました。自分を苦しめているものの正体はなんなのか。なんで自分はこんなに苦しいのか、それを突きとめてやる!という熱意を感じました
「あ、この人は必死で生きている」と思い、今回インタビューを申し込みました。
実際にお会いし、永田さんの言葉、とくに「社会から許されたい」という言葉に深く共感しました。読者のみなさんにも永田さんの言葉が届いてくだされば幸いです。
(伊藤歩・27歳)
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