「メリーチョコ」が70年も日本人に愛されるワケ バレンタインデー「告白チョコ」の生みの親

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大田区にあるメリーチョコレートカムパニー本社。敷地内に工場も併設している(筆者撮影)

日本のチョコレートに関する統計を見ると、この20年間、生産・輸入・輸出・消費量ともに右肩上がりで推移している。1988年に1人当たりの年間消費量は1.56kg。2018年には2.19kgだ。

輸入輸出双方が増えているというのは、チョコレートを食べる人が増えているだけでなく、日本のチョコレートが海外の人に食べられるようになっているということでもある。

世界のチョコレート市場が豊かになり、さらに、日本もそれに貢献しているとも言える。

ちなみに、この年間2kg強という消費量は世界的にみるとまだまだ少ない。主要国の消費量をみると、1位のドイツは11.1kg、2位はスイスで9.7kg。日本人の約5倍の量を平らげている(上記数字はすべて日本チョコレート・ココア協会調べ)。

70周年を迎えたチョコレートメーカーの老舗

今回取材したのは、昨年70周年を迎えたチョコレートメーカーの老舗、メリーチョコレート。デパ地下に行けばすぐに目に入る、贈答菓子のお店としてもよく知られる存在だ。

メリーチョコレートカムパニーによると、同社の売り上げは近年、お中元やお歳暮といったフォーマルな贈答需要低迷の影響を受けてきているという。そこで、伸長市場であるパーソナルギフトに着目し、空港や高速道路のサービスエリアなどへの売り場展開、オンラインショップの開拓を図ってきている。また、それぞれターゲットを変え多様なブランドを打ち出しているのも、近年におけるメリーチョコレートの特徴である。

戦国武将をテーマとしたブランド「TSUWAMONO(つわもの)」。写真は13人の武将を詰め合わせた「つわもの揃い」(17個入り2376円)。武将になじみのある地域の産品を素材として使用している(写真:メリーチョコレートカムパニー)

例えば2021年のバレンタインデーラインナップに名を連ねるのが、戦国武将をイメージした「TSUWAMONO(つわもの)」だ。発売は2017年で、戦国武将や歴史が好きな女性、いわゆる「レキジョ」や、インバウンドがターゲット。チョコのデザインで武将を表すだけでなく、武将ゆかりの地にちなむ日本酒や地産素材を使っているという凝り具合も、マニア心をくすぐる。

本格チョコレートや、Bean to Barへの取り組みにも挑戦してきた。

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