企業のDX化で大打撃「文系学生」が就活で勝つ策 コロナで競争が激化している就職活動の現状 

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理系学生と比べて就活が厳しい文系学生が内定を勝ち取るための策とは??(写真:NOV / PIXTA)

新型コロナウイルスの影響により、採用市況には絶え間ない変化が起こっています。BeforeコロナからのDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れもあり、今最も市況の変化の影響を受けているのは文系学生と言っても過言ではありません。

Grill社の調査「コロナ禍における新卒採用実態調査」(2020年10月12日~10月20日調査実施)によると、新型コロナウイルスの影響で採用人数を減らした企業は31.9%で、増やした企業の10.1%に対して約3.2倍の結果となっていました。

採用人数を減らした会社からは「業績が悪化したため」「先行きのわからない中で固定費を増やせない」などの回答が多く、新型コロナウイルスによる不景気が企業の採用活動に大きな影響を与えていることが読み取れます。

一方で少し長期的な目線で採用市場を見てみると、経済産業省の「産業振興に寄与する理工系人材の需給実態等調査」(平成29年度版)では、「AI(人工知能)・機械学習系」人材は2.25倍、「統計・高性能計算系」人材は1.91倍、「数学」人材は1.69倍など、AI(人工知能)やIT、デジタルに関連する分野においては、採用予定人数が大幅に増加していることがわかります。

コロナで採用枠は減少し続ける

その背景には、DXが進み文系職と呼ばれていた銀行や総合商社でも理系の採用枠を拡大したことがあります。特に金融業界では採用枠に大きな変化が起きています。

例えば、みずほフィナンシャルグループは2017年頃から理系の採用枠の拡大を始め、2017年度に9.3%だった理系比率は、2020年度採用では15.1%と1.6倍以上となっています。

採用枠が減少し続ける状況の中で、文系学生はどのように就職活動を進めていけばよいのでしょうか?

そもそもなぜ、文系学生だけがこのような窮地に追いやられているのでしょうか。その答えは市場が求める人物像が変化したからです。

今まで、日本では面接などで「素直・明るい・元気」という三拍子揃った、新人ならではのフレッシュな就活生が好まれる傾向にありました。もちろん、このような人材は働く環境にとてもよいエネルギーをもたらし、会社を活気づけてくれることは間違いありません。ただし、前述したような現状を考えあわせると、「明るく元気で素直」なだけでは、これからの社会では必要とされないのです。

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