「自動運転バス」普及の鍵は法規とマネタイズ 地方で生活の足として期待される新交通の未来

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人口減少や高齢化、東京まで50~60km圏ながら鉄道の駅がないなどで交通網の脆弱性などの課題を持っていた境町。近年は、成田空港への直通バスなど公共交通網の整備や、スポーツや観光、福祉などの拠点整備を積極的に推進し、人口減少に歯止めがかかりつつあるが、町内の交通手段にはまだまだ課題が残っていた。

そこで、活動拠点周辺における町内の回遊性を高め、さらなる人口の増加や地域活性化を促進する目的で、自動運転バスを導入したという。同町では、今後、スーパーマーケットや医療施設、小学校など、住民の生活に密接な関連を持つ施設にもバス停を増やし、さらにルートを拡大する予定だ(2021年2月18日からはバス停が6ヶ所追加された)。

また、羽田空港に隣接するHICityでは、同施設の開発を行う「羽田みらい開発」がアルマを導入している。敷地内を毎日午前10時半から午後4時半まで定期的に巡回し、HICityの来訪者であれば誰でも無料で乗車することが可能だ。

羽田空港の近隣施設HICityで運行しているアルマ。車両のラッピングは、施設コンセプトである先端産業=青と文化産業=赤紫の融合をイメージしてデザインされている(写真提供:マクニカ)

運用の課題

茨城県境町、そしてHICityのいずれのケースにおいても、現状ではドライバーも乗車したうえで運行を行っている。これは、現在の法律が許す公道における自動運転が前述の「レベル3」までだからだ。2020年4月に施行された「改正道路交通法」と「改正道路運送車両法」では、「自動運行装置」が正式に定義づけられ、法律上で初めて「公道」上での自動運転が可能となった。ただし、条件もある。レベル3は、先にも述べたとおり、自動運転システムが作動しているときにドライバーは手放しやよそ見をしてもいいが、何らかのトラブルや異常などでシステムから運転の要請があると、即座に運転操作に戻ることが必要なのだ。

現在運行するアルマは、2ケースとも公道を走行している。そのため、法規によりドライバーが乗車し、必要に応じて手動運転を行っているのだ(アルマにはハンドルやアクセル、ブレーキはないが、ドライバーは特別な装置を使い手動運転が可能)。

つまり、マクニカが新たなに販売を開始したエヴォは、レベル4の自動運転は可能なものの、現在の法律ではその機能のすべてを使うことができないことになる。また、自動運転バスは、運行会社がドライバーの高齢化やなり手の減少による人手不足を解消する方策として期待していることは先に述べた。だが、ドライバーなしの自動運転車は現在の法律では公道を走ることができない。

ナビヤ社製エヴォの外観(筆者撮影)
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