時速400kmに挑むJR東「次世代新幹線」の全貌

両端で違う「顔」、窓がほとんどない車両も

JR東日本の新幹線試験車両「ALFA-X(アルファエックス)」。10号車の鼻先は22mもある(撮影:尾形文繁)

昨年12月に先頭の1号車、今年2月に最後尾の10号車と、JR東日本が小出しに公開してきた新幹線の試験車両「ALFA-X(アルファエックス)」の全容が5月9日、報道陣に公開された。

アルファエックスは10両編成。川崎重工業と日立製作所が分担して製造し、この日までに宮城県利府町の同社新幹線車両基地に運び込まれた。

シャープな鼻と長い鼻

新幹線が高速でトンネルに突入する際、トンネル内に圧縮波が形成され、反対側の出口からパルス状の圧力波を放射する。この圧力波を抑えるために、先頭形状をなめらかにする必要がある。ほかにも、高速走行に伴う騒音や振動をいかに抑えるか。速度性能を高める新型新幹線を開発するためには、こうした環境性能を同時に高める必要がある。

鋭角な鼻先の1号車(撮影:尾形文繁)

アルファエックスは時速400kmでの走行を予定しているだけに、環境性能を高めるための数々の工夫が施されている。その一つが先頭形状。通常の列車は先頭車両と最後尾車両の形状は同じだが、アルファエックスの両端、つまり1号車と10号車はそれぞれ形状が異なる。

1号車の「鼻」の長さは16mで、現在の東北新幹線の主力であるE5系(15m)よりも少し長い。E5系とほぼ同じ長さという条件で環境性能をどこまで向上できるかを試すためだ。E5系から丸みを削ぎ落としたような鋭角なデザインは、風の流れによって作られる「削ぎ」や「うねり」「広がり」といった要素を取り込んだ。

一方、10号車の鼻は約22m。1両が丸ごと鼻といっても差し支えないくらいだ。その形状は、台車部を覆うせり出した造形、運転士を包み込む造形、後方に向けてなめらかにつなぐ造形という3つの造形で構成されている。

試験走行では両タイプの圧力波抑制効果などを比較し、次世代新幹線の新たな先頭形状開発につなげる。

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