アライドアーキテクツが描くマーケの未来 SNS、スマホでマーケティングは激変する
――住友商事出身、ベンチャーを続けて立ち上げるなど、異色の経歴です。
新卒で商社を選んだのは、さまざまなビジネスを通じて、いち早く成長できると考えたからだ。リテール部門でフードビジネスを担当し、カフェの研修では毎日トイレ掃除からビラ配り、レジ打ちまでこなした。当時は「こんなことまでやるのか」と不満だったが、現場からビジネスを積み上げる重要性を学べたことはとてもいい経験になっている。このときから「いつかは自分の会社を作りたい」という思いがあった。
入社した1997年以降は、楽天やサイバーエージェントなどのIT企業が設立され、インターネット産業が盛り上がっていった時期だ。僕も、時代にあった新しいビジネスは何かと考える中で思いついたのが、大好きなインターネットと趣味のゴルフの組み合わせだった。そこで、ゴルフ場の予約サービスや、スコアリングのコミュニティサービスができないかと企画を持ちかけたのが、ゴルフダイジェスト。同社もネット事業に取り組み始めたタイミングだったので「一緒にやらせてください」とメンバーに加わった。
2008年の米大統領選をヒントに
住友商事はそのまま勢いよく辞めた。若気の至りもあったかな。その後のITバブル崩壊もあって、同期には「あいつ、やっちゃったな」なんて言われたけど(笑)。こうして創業したゴルフダイジェスト・オンラインではeコマースを担当することになった。
――起業に至った経緯は何ですか。
2000年代半ばにかけてブログやSNSが利用されるようになると、eコマースサイトにもこうしたメディアを経由したアクセスが増えてきた。それまではポータルサイトなどからの流入がメインだったので「何か新しい、大きな流れが来ているぞ」と感じていた。そこで、以前から起業したいという気持ちもあったので、SNSを活用したビジネスを立ち上げようと決めた。ただ、今思えば、牧歌的な起業だった。具体的なビジョンがなく、2005年の創業から3年間は鳴かず飛ばず。さまざまなサービスを試したが、なかなかヒットしなかった。
転機となったのは、2008年の米国大統領選挙だ。オバマ大統領はフェイスブックなどのSNSを駆使したキャンペーンを展開し、勝利に結びつけた。これを機に人や企業を結びつけるSNSが本格化にビジネスにも活用されていくはずだと思った。モニプラのブログ向けサービスを始めたのもこの時期だ。
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