アライドアーキテクツが描くマーケの未来 SNS、スマホでマーケティングは激変する

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――今後の成長戦略はどうするのですか。

企業にとって「顧客をよく知る」ということがマーケティングの重要なテーマになっていくと感じている。これはネット広告も同様だが、全員に同じものを見せるのではなく、顧客を選別し、それぞれの興味関心に沿ったコンテンツを提供するということだ。SNSを活用すれば、こうしたマーケティングが実現できる。

■プロフィール
なかむら・まさひで  1974年生まれ。慶應義塾大学理工学部計測工学科(現物理情報学科)卒業後、1997年住友商事入社。リテール部門にて新規事業会社の設立、運営を担当。2000年ゴルフダイジェスト・オンラインの設立に参画し、eコマース部門を担当する。2005年アライドアーキテクツを設立、代表取締役社長就任。

当社には多くのキャンペーンのデータが蓄積されているが、この点では十分に活用し切れていない。そのため、2月にテキスト解析に強みを持つメタデータ社と提携した。キャンペーンには自由記述のアンケートも多く、膨大なテキストデータがある。これを解析することで、ユーザーが何を求めているのか、何を言おうとしているのかということが把握できる。これまでは、モニプラを使えば多くのユーザーにリーチできる点がメリットだったが、今後はデータ解析で顧客をよく知り、選別された情報や、より効果的なキャンペーンを届けられるようにしていく。こうした点を評価してもらえるようにしたい。

もうひとつは海外展開だろう。長期的に日本の内需が減少していく中、グローバルで成長が期待できるのはアジアだ。現在は台湾とベトナムでフェイスブックのサービスを展開しており、シンガポールでも法人を設立したところ。ベトナムでは現地の実店舗を中心に利用されている。早い段階からサービスを展開することで、どんなキャンペーンが効果的なのか、現地で好まれる表現は何か、といったノウハウを蓄積している。日本企業が進出する際にも、一緒に取り組むことができるだろう。

これは僕の肝いりプロジェクトのひとつ。商社出身だから、日本のよいものを他国の人に伝えたいという気持ちは強い。まだ先行投資の段階で儲かっていないが、今のうちにアジアのユーザーを知ることは、将来のサービスの価値につながるだろう。長期的な視点でみれば、海外展開は面白くなってくるはずだ。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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