急成長するフェイスブックの「次の一手」 開発者会議「F8」で見せた、新たなフェイスブック

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 本連載は、GAFAに関するトピックをひとつないし複数採り上げながら、米国・シリコンバレーを中心とするIT事情を定点観測的にお伝えしていく。今回はフェイスブック。4月30日にサンフランシスコで久々に開発者会議「F8」を開催した。基調講演から感じるフェイスブックの変化とは?
基調講演に立ったフェイスブックCEO、マーク・ザッカーバーグ氏

サンフランシスコの夏は、霧の影響もあって気温が上がりにくい日が続くが、その前後には内陸部からの熱波が押し寄せ、気温が上がる日もある。たとえば4月30日は、急に気温が30度まで上がり、カラリとした晴天になった。フェイスブックの開発者会議も気温のように熱気を帯びていた。

久々の「F8」

フェイスブックは、2007年から、「F8」と呼ばれるイベントを開催してきた。このイベントタイトルは、フェイスブックで行われていた8時間耐久ハッカソンに由来しているとおり、フェイスブックの社内にあるハッカー文化を前面に押し出す開発者向けイベントだ。

フェイスブックをプラットホームとして、この上で動作するアプリを開発したり、フェイスブックを活用したサービス開発を行う人々に対して、最新の機能を提供したり、個別のサポートや議論を行うことが主とした目的となっている。

2007年に発表したSocial Graphは、フェイスブック上で人々がつながっているデータを活用可能にする仕組みで、2010年にフェイスブックの外でもこうしたデータが利用できるOpen GraphやSocial Plug-inを発表している。一般的なウェブサイトやニュースサイトでも当たり前となった「いいね」ボタンが利用できるようになったのは、実は2010年以降。もっと古くからあるかのような錯覚を覚えるほど普及している。

また2008年と2011年はデザインに関する言及もあった。フェイスブックのユーザーがアクセスして初めに見る画面である「ニュースフィード」については、たびたびデザインの変更を行っており、こうした説明もF8の場で行われてきた。デザインについては一般ユーザーにも関係するが、やはり主眼は開発者がコンテンツやアプリをどのようにフェイスブック上で目立たせたり、広告などを売り上げるか、という角度から話が進む。

残念ながら2009年と2012年、2013年はこうしたイベントが開かれなかったが、2014年は3年ぶりに開発者を集めたイベントを行い、2015年3月に次回のF8を開催するアナウンスも、基調講演の最後にマーク・ザッカーバーグ氏が行った。

株式上場を経て、広告による収益も大きく上向き始めた現在、プラットホーマーとして開発者の力を借りた成長へと持ち込みたい。そんなフェイスブックの姿勢を垣間見ることができる。

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