中国エネルギー大手「基金設立」で再エネシフト 風力発電、太陽光発電、水素などへの投資を加速

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国家能源投資集団は祖業の石炭から再生可能エネルギーへの移行を急いでいる、写真は同社が江蘇省に建設した洋上風力発電所(国家能源投資集団のウェブサイトより)

中国最大級の国有総合エネルギー企業の国家能源投資集団は1月22日、大型の産業投資基金を設立して再生可能エネルギー産業への重点的な布石を行うと発表した。

基金の名称は「国能新能源産業投資基金」(略称は国能基金)、その規模は100億2000万元(約1603億円)に上る。出資者には国家能源投資集団傘下の中国神華能源と国華能源投資に加え、国有資産の管理運営会社である中国国新資産管理と中国東方資産管理の4社が名を連ねた。

国能基金は風力発電および太陽光発電のプロジェクトの買収や、水素エネルギー、エネルギー貯蔵などの先端事業分野に積極投資する計画だ。

中国国有資産監督管理委員会のウェブサイトで公表された資料によれば、基金の運営開始後には(投資コンソーシアムの組成などにより)再生可能エネルギー産業に約500億元(約8000億円)の資金が向かい、総設備容量600万kW(キロワット)を超える風力発電および太陽光発電のプロジェクトの促進が期待されるという。

石炭偏重の事業構造の転換急ぐ

国家能源投資集団にとって、国能基金の設立は(石炭火力に偏った)事業構造のバランスを調整し、エネルギー源の転換を進めるための戦略の一環だ。同社は国有石炭大手の神華集団と国有電力大手の中国国電集団が2017年に合併して発足し、石炭採掘から発電まで一貫して手がけている。中央政府直轄の巨大国策企業の1社であり、2020年時点の総資産は1兆8000億元(約28兆8000億円)を超える。

同社はすでに風力、太陽光、バイオマス、潮汐、地熱などさまざまな再生可能エネルギー事業に参入。なかでも風力発電の設備容量は2019年末時点で4116万kWに達し、中国全体の風力発電設備の19.6%を占めた。

本記事は「財新」の提供記事です

洋上風力発電や水素エネルギーなど先端事業分野への取り組みも拡大している。例えば2020年10月、フランス最大の電力企業であるフランス電力と共同で、中国初の外国企業との合弁による洋上風力発電プロジェクトを江蘇省で始動させた。総工費80億元(約1280億円)をかけて総容量50万kWの洋上風力発電設備を建設する計画だ。

また2020年8月には、傘下の国華能源投資が湖北省の水素エネルギー関連企業に出資して発行済み株式の36%を取得。これは国家能源投資集団が資本参加する水素エネルギー・プロジェクトの第1号となった。

(財新記者:白宇潔)
※原文の配信は1月23日

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