太らないデザート、ローソンの「引き算戦略」 夏場の女性の心を鷲づかみ

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スイーツだけでなくサンドイッチやベーカリーにも女性目線を取り入れた(撮影:大澤 誠)

そもそも、UchiCaféSWEETSはどのように生まれたのだろうか。

UchiCaféSWEETSの誕生は、2009年。コンビニ利用率の低い女性をターゲットとし、同業のコンビニではなく、デパートやパティスリーのお客を取り入れていくのが狙いだった。

「『なぜコンビニのスイーツは女性に売れないか』ということから出発した。男性がスイーツを買う際は基本的に『ついで買い』。質より量を選ぶし、気に入ったら同じものを求め続けるという嗜好傾向がある。魅力的なスイーツを開発するためには、女性ターゲットへとスイッチする必要があった」(鈴木部長)。

女性がスイーツを購入する動機に着目

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商品・物流本部ベーカリー・デザート部の鈴木嘉之部長(撮影:大澤 誠)

結果、ブランド立ち上げ後1年で、女性の利用率は約5%上昇、オリジナルスイーツの売り上げは年間平均で約6割伸長した。スイーツに使用する生クリームを抜本的に改革するなど、素材にこだわった商品を展開したほか、「いつでもおウチがカフェになる」をコンセプトに、商品づくりに「情緒性」を取り入れた。

つまり、女性がスイーツを購入する「動機」に着目したのだ。確かに、「今日は仕事で失敗したから、元気を出したい」「がんばったごほうびに甘いものを」などを理由にしてスイーツを購入する女性は多い。スイーツに、楽しさや驚き、癒しといった付加価値を求めるのだ。

そんな「情緒へのこだわり」を示す例が、スイーツの容器だ。お皿に移して食べることを想定し、ケーキなどを包むシートの四隅をつまみやすい形状・固さに成形。容器のままより、気に入りのおしゃれな器で食べたほうが、ちょっとした「非日常感」が演出できる。まさに、自宅がカフェになるわけだ。

また、1日23万個売れたという「厚焼きパンケーキ」では、メープルソースとホイップクリームを別添えし、自分で絞る形としたことがヒットの起爆剤となった。

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