太らないデザート、ローソンの「引き算戦略」 夏場の女性の心を鷲づかみ

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ブランドの商品開発を支えるのは、市場調査・仕入れ部隊・女性の多い開発チームの三本柱だ。まず市場調査では、新しいものに対する感度の高い20〜30代女性を意識。原宿など街中で声を拾ったり、マスコミ等にも広くアンテナを張る。「潜在から顕在へと移行直前のニーズをすくいとるのがコツ」(鈴木部長)だという。またイタリア、ハワイなどスイーツの「本場」に出かけて味を研究することも多い。

さらに、商品開発でもっとも時間がかかるのが素材探しと調達だが、ローソンでは専門の「原材料仕入部」が設置されており、各地の生産者とのパイプを築いている。全国1万1000店という規模を背景に、上質な食材を安く仕入れられることも強みだ。たとえば夏コレクションで発売予定の「メロンのこだわりプリン」では、今年の初値で2玉250万円の高値がついた「夕張メロン」を使用している。

次はアメリカンスイーツを投入

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6月10日発売の「プレミアム バラのロールケーキ」(撮影:大澤 誠)

商品開発チームは男女比が10:6と女性が多く、開発会議でも女性の意見が積極的に取り入れられる。6月10日に発売した「プレミアム バラのロールケーキ」はその好例だ。「商品を報告する会議では、『なんでバラをスイーツに?』と、男性社員は驚いていた。もっとも、バラのスイーツと言えば洋菓子の本場パリでは伝統的なものですが」(鈴木部長)。

商品開発は常に新しいものへの挑戦。次はニューヨークスイーツの人気に着目し、「アメリカンスイーツの代表選手ともいえる、あるケーキを発売予定」(鈴木部長)という。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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