「今年の目標」早々に挫折する人が多い根本理由 最初頑張れても急に意志や我慢は強くならない

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再びダイエットで考えてみます。

運動でやせようと思った場合、慣れないことをするとやっぱりきついですよね。ではどう目的をずらせばいいのか?

例えば目的を「最高にうまいビールを飲む」にずらしてみるのはどうでしょうか。「最高にうまいビールを飲む」ためにトレーニングをするわけです。

ここで大切なのは、トレーニングをした報酬やごほうびにビールを飲むというロジックではなく、最高にうまいビールを飲むためにトレーニングをするというロジックにすることです。

食事の量を減らすのであれば、こんなずらしはどうでしょうか。

「最高においしい夕食を食べるために、ランチを抑える」

なんかこれならできそうじゃないですか。こうやって、目的をずらしながら自然と習慣を変えていくことでダイエットに成功する可能性が高まるわけです。

出世したかったら「上司攻略ゲーム」をする

ここで出てきた「ずらす」という考え方も拙著の中で紹介している「考える技術」のひとつです。課題を解決する方法として「ずらす」はかなり使える方法です。

ずらすときに大切なことは目的を「楽しいもの」「ワクワクするもの」「気持ちいいもの」にするという点です。ずらす目的も我慢を強いられるものだったり、意志が必要なものにしてしまうと元も子もありません。

『パン屋ではおにぎりを売れ』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

例えば、「出世する」という目標を立てた場合、社内で引き上げてもらうためには上司の協力が必要です。ではもしあなたが上司のことを苦手だったとしたら。そんなときにも「ずらす」は使えます。上司をゲームのキャラ化して、目的を「上司キャラ攻略ゲームでいい点数を取る」にずらしてしまうのです。

上司キャラを攻略するために、上司の能力やスキルを観察し、ノートに能力分析を書き込みます。上司キャラをビジュアル化してみるのも臨場感が出ていいと思います。そしてあなたオリジナルの上司攻略ゲームを作り上げていくのです。「話しかけたら1点」「仕事の相談をしたら3点」というように点数を決め、加点方式で点数を積み上げていく。ゲームを続けていくと、自然と上司との関係がよくなり、結果、出世にも結び付く可能性が高まるわけです。

2021年は目標達成ができるよう、ここで仕切り直して、頑張らない方法をぜひ身につけてください。

柿内 尚文 編集者

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かきうち たかふみ / Takafumi Kakiuchi

1968年生まれ。東京都出身。慶應義塾大学文学部卒業。読売広告社を経て出版業界に転職。現在、株式会社アスコム取締役。長年、雑誌と書籍の編集に携わり、これまで企画した本の累計発行部数は1000万部以上、10万部を超えるベストセラーは50冊以上に及ぶ。特に実用書のジャンルで数々のヒットを生み出している。現在は本の編集だけでなく、編集という手法を活用した企業のマーケティングや事業構築、商品開発のサポート、セミナーや講演など多岐にわたり活動。著書に『パン屋ではおにぎりを売れ』『バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則』(かんき出版)がある。

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