「今年の目標」早々に挫折する人が多い根本理由 最初頑張れても急に意志や我慢は強くならない

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「我慢して」「意志をどこまでも通す」というのはなかなか強い言葉です。たいていの人は「我慢が嫌い」「意志がそんなに強くない」のではないでしょうか。僕もそうです。なので、頑張り切れないことがよく起きます。つまり「頑張る」という言葉には挫折のにおいがプンプンしているわけです。

自分は意志が強くない、我慢は嫌いと思っていても、人は最初はけっこう頑張りがちです。

スタート時はモチベーションが高いので、ついつい頑張ります。でも意志が急に強くなるわけではなく、我慢も嫌いなので、結果、途中で挫折の可能性も高まるのです。

では、「頑張る」で挫折しないためにどうしたらいいのでしょうか。

挫折しないための「ミニ努力」と「目的ずらし」

ひとつは「ミニ努力」です。例えば目標が「ダイエットに成功する」であれば、いきなり食べる量を我慢して減らすとか、無理にハードなトレーニングをすることはせず、「我慢のない範囲」「無理のない範囲」でできることをしていきます。

例えば出勤のときに最寄りの駅まで歩いているとしたら、そのうち100mは走ってみるとか。そういうことを続けていく中でだんだんと習慣化が進み、気づけば我慢を感じることなくダイエットがうまくいく生活に変わっていくわけです。

ここで「ミニ努力」というワードを紹介しましたが、これは僕の創作ワードです。話は少しそれますが、言葉を自分オリジナルで考えることは、その言葉の意味を自分ゴト化するのにとても役立つ方法なのでおすすめです。拙著『パン屋ではおにぎりを売れ』の中で「キャッチコピー法」として紹介しています。

話を戻します。「頑張る」で挫折しない2つ目の方法は「目的をずらす」です。

例えば、「歯磨き」を頑張ってやっている人は少ないと思います。歯磨きはなぜ習慣化できたのか。それは「歯を磨かないとさまざまなリスクがある」という理由だけでなく、「歯を磨くと口の中がすっきりする」というように目的をずらしている部分もあります。本来歯磨き粉にいろいろな香りは必要ないそうですが、それをつけているのは「スッキリ感」を作るためで、その「スッキリ感」が歯磨きを挫折せずに習慣にできている大きな要因なんだと思います。

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