日本の“ギリシャ化”が緩やかに進んでいる--ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授

日本の“ギリシャ化”が緩やかに進んでいる--ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授

欧米や中国の指導者に話を聞けば、彼らは一様に日本経済のようになりたくないと言うだろう。西欧諸国が巨額の財政刺激策を講じ、銀行を救済した際、彼らは国民に向かってこう警告した。

「今、思い切った政策を取らなければ、10年以上にわたって不況とデフレの泥沼に苦しめられている日本経済と同じになってしまう」

中国の指導者は、過小評価されている人民元の大幅な切り上げを認めない主な理由として日本の例を挙げ、「西欧の指導者は1980年代後半に日本に円切り上げを強制した。それが、その後の悲惨な状況につながった」と主張している。

確かに、どの国も日本のような状況に陥ることは避けたいはずだ。日本は30年以上にわたり世界で最も高い経済成長率を実現したが、過去18年は低成長にあえいでいる。

誰も日本が繰り返し経験してきたデフレの津波と共存したくはないだろう。誰も日本のような公的債務がGDPの100%を超えるような危機的な状況を迎えたくはないだろう。誰も世界一の経済大国から経済低迷を代表するような存在に転落したくはないだろう。

しかし現在、東京を訪れた人は街の至る所に繁栄を見つけることができる。店やオフィスビルは活況を呈している。レストランは、ニューヨークやパリよりもしゃれた服を着た客であふれている。長期にわたり不況が続いているにもかかわらず日本の1人当たりのGDPは4万ドル以上ある(現在の為替相場で換算)。日本は依然として米中に並ぶ世界有数の経済大国なのだ。失業率は“失われた10年”の期間中でさえ低かった。最近、上昇したとはいえ、それでも5%にすぎない。

では、いったい何が問題なのか。

まず、東京以外の地方経済の状況は、東京と比べはるかに厳しい。地方経済の雇用は公共事業に大きく依存してきたが、政府の財政状況が悪化するにつれて地方の雇用は減少し続けている。

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