コロナワクチンを訝る人に知ってほしい大問題

副反応だけでなく打たないリスクにも注視を

例えば、接種後に心筋梗塞が生じたという事例が、1例だけ起こったとする。だが、“ワクチン接種後に心筋梗塞”という事象だけでは、この心筋梗塞が副反応かそうでないのかわからない。この人が心筋梗塞を起こしたのが“たまたま接種後だった”という可能性もあるからだ。

「この方と同じ年齢やバックグラウンドの人たちがどれくらい心筋梗塞を起こすリスクがあるのか、そういったことを統計学的に調べて、有意差を検証しなければ、何ともいえないのです」(永井さん)

日本感染症学会ワクチン委員会が12月下旬に出した「COVID-19ワクチンに関する提言」でも、「接種後にみられた有害事象がすべてワクチンによるものとは限りません。対照群と比べて接種群で統計学的に有意に高い頻度で有害事象が見られた場合に、ワクチンによる副反応の可能性が高くなります」と述べている。

では、どういうものを副反応というのか。永井さんが解説する。

「まず、ワクチン接種をした場所で痛みが出たとか、腫れたとか、そういう局所の反応は明らかに因果関係があるわけで、対照群と比べて多ければ副反応と考えられます。また、打った後に熱が出たり、だるくなったりするのも、副反応の可能性は高いです。ただ、こうした反応が一定数起こるのは、ワクチン接種では避けられません」

製薬企業の臨床データから見た有害事象

ちなみに、新型コロナウイルス感染症のワクチンの開発に関わる製薬企業が明らかにした臨床試験データでは、臨床試験の有害事象(2回目接種後)の頻度は次のとおりだ。

・ファイザー社のワクチン(BNT162b2)/痛み78%(対照群は12%)、発熱(38℃以上)16%(0%)、倦怠感59%(23%)(16~55歳までのデータ)

・モデルナ社のワクチン(mRNA-1273)/痛み90.1(18.8%)、発熱17.4%(0.4%)、倦怠感67.6(24.5%)(18~64歳のデータ)

アレルギーについては臨床試験のタイミングでは報告がなかったが、ファイザー社のワクチンで、接種後にアナフィラキシーという深刻なアレルギー反応を起こしている。アメリカのCDC(疾病対策センター)によると、10日間・約190万回の接種で、21件のアナフィラキシーが報告されている。

「このケースのほとんどで、過去にアナフィラキシーを起こしていました。ですので、こういった人たちには接種を勧められません。ただ、こうしたアレルギー反応も新型コロナウイルス感染症のワクチンに限らず、一定の割合で起こります」(永井さん)

次ページ季節性インフルエンザワクチンのアナフィラキシー例は?
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