救急車が渋滞「英国のコロナ病棟」壮絶な現場

「変異種発生」で現場の風景は再び一変した

変異種による感染爆発による医療体制の逼迫が伝えられているイギリス。救急外来前に救急車が列を成している風景がメディアでは頻繁に伝えられているという(写真:REUTERS/Henry Nicholls)

1日約5万人の新型コロナウイルスの感染者が出ているイギリス。12月半ばには従来のウイルスに比べ感染力が高いとされる変異種が発見されたこともあり、ロンドンでは制御不能な状態にあるとして重大事態が宣言されるなど、まさに未曾有の事態に陥っている。医療体制の逼迫が伝えられる中、イギリス中部で看護師として働くピネガー由紀氏の病院でも病院の前に救急外来への搬送を待つ救急車の列ができるなど、ギリギリの状態になっているという。ピネガー氏が現地の状況をレポートする。

突然「コロナ病棟」への召集命令

「今、手術室コーディネータの部屋に行ってきたら、来週の手術予定が白紙になっていた!半数以上の手術が急遽キャンセルになるって!」

2020年も終わりに近づいたある日、いつも通りに外科部門で勤務しているところに、同僚のジョアンが声を潜めながらも動揺をした様子でナースステーションに走りこんできた。

「またか。またあの日々が始まるのか」。手術予定が突然、大幅にキャンセルされることの意味を私たちは熟知している。手術室、外科部門の業務を縮小して、スタッフをコロナ病棟、もしくはICUに送り出すのだ。コロナ感染第1波時には私の所属する外科部門は、部門閉鎖となってほぼ全員コロナ前線に駆り出された。私ももちろん、招集をされたスタッフの1人だった。

間もなく、会議から戻ってきた師長がスタッフを全員集め、正式に上記の旨が伝えられた。こうして2020年末、筆者の「コロナ病棟への再送致」が一瞬で決定された。

2020年12月、英国イングランドの2度目の4週間にわたるロックダウンが解除後に、ロンドンやイギリス南部で新型コロナ感染が爆発的に増加、その後「変種ウイルス」が発表され世界を震撼させた。

イギリス中部に位置する筆者の勤務先の病院では、その時点では通常業務を妨げるほどの感染爆発ではなく、私は「本業」である外科部門に通常通りの勤務を続けていた。

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