3つ目は、伝える「地道な努力」と「並々ならぬ思い」の両方が足りない、ということです。
マハトマ・ガンジーやスティーブ・ジョブズたちはどうやって苦手意識を克服し、雄弁なリーダーになったのでしょうか。まず、「地道な努力を積み重ねたこと」が1つ目です。
菅首相は「言い間違いが多い」と批判されますが、これも、努力があれば、少しは改善できるはず。スティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾスは発表会の前、数日かけて、リハーサルをし、練習を重ねました。
コロナ対応ではさんざんの評価だった安倍前首相ですが、外交では「強いリーダー」のイメージを醸成し、長期政権を実現しました。その一因となったのが、海外でのスピーチですが、本番の前は数十時間、自宅で練習をしたそうです。
もう1つの上達のカギは、「並々ならない『情熱』を持つこと」です。伝わるコミュニケーションのコツは、単に「言葉」を伝えるのではなく、「思い」を伝えることです。
「自国の独立」「平和」「人々を豊かにするツールを作る」といった熱い思いや情熱が、彼らを駆り立て、強くカリスマ的な話し手に変えていきました。その「情熱」を自らに憑依させることで、火の玉のような力強さをまとうことができたのです。
話し方のスキルは「最大の武器」になる
日本人は政治家に限らず、リーダー層の中にも、話すときの「熱量」が低く、「低カロリーな話し方」をする人が少なくありません。
くぐもった声で、抑揚もなく、淡々と伝えたとしても、心は動きません。物を動かすのも人を動かすのも「エネルギー」が必要です。リーダーは「自分の中に眠るエネルギー」を解放し、「聞き手に届けるのだ」という覚悟が必要です。
話し方のスキルは、この先行き不透明な時代の「最大の武器」です。その力が必要なのは、政治家やリーダーだけではありません。将来のリーダーとなりうる皆さんも同じです。
日本の政治家の「発信力のなさ」を嘆くだけで終わらずに、ぜひ皆さんは「反面教師」にすることで、「話し方のスキル」を磨き上げ、「人を動かす」「人の心をつかむ」人になってください。
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