「今回の大幅な人事異動に伴って、各部署でハレーションが起きている」のように「ハレーション」という単語をビジネスのシーンで耳にすることがありますが、実は和製英語だというのはご存じでしたか。もともとは写真に使われる単語で、そちらの意味では英語でも日本語でも共通です。リーダーズ英和辞典では以下のように定義されています。
⦅写⦆ハレーション⦅強い〔多量の〕の光がフィルム裏面で反射され乳剤面に逆戻りして生ずるにじみ⦆;⦅テレビ⦆ハレーション⦅テレビの画面の明るいスポットの周囲に時々現れる光の輪⦆
/heɪléɪʃ(ə)n/(ヘイレイシュン)、/hæléɪʃ(ə)n/(ヒャレイシュン)、/həléɪʃ(ə)n/(フレイシュン)と最初の音節に3とおりの発音が紹介されていますが、最後のhə(フ)という「あいまい母音」の発音が一般的です。
日本では「強い光によって写真が白くぼやけてしまう」というもともとの意味から派生して、「望まない悪影響を与えること」を「ハレーション」と言うようになったのだと思いますが、個人的にはどうしてこの表現がそんな意味に発展したのかちょっとピンと来ないですね……。
こちらの意味の「ハレーション」は日本語特有の用法ですので、英語では通じませんので注意しましょう。こちらの用法を英語にするのであれば、a negative impact(悪影響)やconflict(争い・利害などの衝突)などの単語を使うといいでしょう。例文を書いておきますので、参考にしてください。
くれぐれも「ハレーション」は起こさずに仕事をしていきたいものですね。「ハレーション人材」なんて呼ばれたくありませんしね……。
サスティナブルは間違い
それから最近とみに見聞きするのが「サステナブル」という単語。これは「地球環境を維持しながら生活や経済を発展させるような」という意味で使われています。
英語ではsustainableと書き、「持続可能な」「資源を維持できるような」という意味を表します。リーダーズ英和辞典とロングマン現代アメリカ英語辞典を見てみると、
1 支持できる、支えられる;維持できる;持続できる;持ちこたえられる
2 〈開発・農業などが〉資源を維持できる方法の、持続可能な;〈社会などが〉持続可能な方法を採用する生活様式の
an action or process that is sustainable can continue or last for a long time: sustainable economic growth (「サステナブルな」行動や手段と言ったら、長期間にわたって持続することができるという意味:持続可能な経済発展)
のように書かれています。英語の発音は/səˈsteɪnəbəl/(スステイヌボー)なので、本当は「サステイナブル」と言ってほしいところですが、日本語では「サステナブル」とよく発音されます。
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