日本人が知らない太平洋の海底めぐる深い事情 日本とオーストラリア、デジタル社会での役割

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太平洋ケーブルの1つの大きな変化は香港でも発生している。香港はシンガポールと並んで重点インターネット交換拠点であり続けてきた。2019年、アメリカのフェイスブックとグーグルによるPacific Light Cable Network(PLCN)は、ロサンゼルスから香港への1万0500メートルに及ぶ直結ケーブルをほぼ完成していた。

両社によるサービス展開上の期待は大きかったが、香港情勢の急変によりアメリカの省庁をまたがる評価委員会であるTeam Telecomによって2020年6月17日に懸念が表明され、開設に待ったをかけた状態となった。2019年に開通が予定されていたRTIのグアムと香港をつなぐ新しい海底ケーブルも、突然の延期が発表され関係者を慌てさせている。

すでに述べたパラオへの日豪米の支援のほかにも、オーストラリア政府は、2018年にシドニーとパプアニューギニアやソロモン諸島を結ぶ海底ケーブル敷設事業に資金を拠出すると決め、すでに、ソロモン政府から受注済みだったファーウェイ・マリンを工事から外した。

ファーウェイ・マリンは、もともとファーウェイの一部門として海底ケーブル関連の製造と敷設を担っていたが、2019年6月、ファーウェイはファーウェイ・マリン部門を手放すと発表し、代わって、中国・江蘇省に本部を置く江蘇亨通光電(ホントン)の一部門となっている。

陸揚げ地と地域の通信事業サービスが重要

海底ケーブルそのものは、陸揚げを除くと比較的自由な産業である。ファーウェイ・マリンは、フランスのアルカテル・ルーセント、アメリカ・AT&Tのケーブル部門であったサブコム、日本のNECのトップシェアの3社グループに次ぐ、比較的短距離のケーブルでマーケットを伸ばしてきた。中東やアフリカに重心があると考えられていたが、最近は南太平洋の話題には必ず登場するようになっている。

もっとも、地経学的に重要なことは受注企業や技術そのものより、陸揚げ地と地域の通信事業サービス全体である。サイバーセキュリティーのリスクにしても、陸揚げ地と、その地のデータアクセスに関するルールとサービス、そしてそれらの国際協調性を評価する必要がある。

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