プレゼンに効く「古代ギリシャの記憶術」の中身 メモなしで大量情報をインプットできる凄い技
シモニデスが編み出したノウハウ
記憶力は人間のほぼすべての活動の根幹をなしている。記憶力は、人の推論する能力、先の予測を立てる能力、他者のリソースとなる能力まで制御しているからだ。
時には膨大な量の情報を、個人やグループに向けて一度に伝える能力も必要になる。役員会で業績を報告したり、知人の集まりでスピーチしたり、授業で専門知識を披露したりと、さまざまな状況が考えられる。そして多くの場合、メモを持たずに話すことが肝心になる。メモが見えると、そのテーマに十分精通していないような印象を与えてしまう。
僕はビジネス界のリーダーや学生や俳優などに、メモなしで話すための昔ながらのテクニックを授けている。ここで言う「昔ながら」とは、まさしく言葉どおりの意味。
僕が教えている、そしてここで紹介する記憶術は「座の方法」と言い、2500年以上前からあるものなのだ。
座の方法にはこんないわれがある。古代ギリシャの詩人、ケオスのシモニデスは、建物の倒壊で大勢が命を落とすなか、ただ1人生き残った。犠牲者の識別を手伝えたのもシモニデス1人だった。倒壊時に人々が立っていた場所から、どの犠牲者が誰かを思い出せたのだ。
それをきっかけに、シモニデスは、紀元前500年も今も変わらず有効な記憶のツールを編み出した。
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