プレゼンに効く「古代ギリシャの記憶術」の中身 メモなしで大量情報をインプットできる凄い技

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「座(loci)」とは、ラテン語のlocus の複数形で、「特定の地点や場所」を意味する。つまり座の方法とは、あなたが覚えたいことを、あなたがよく知る特定の地点や場所に結び付けて覚える記憶術なのだ。これを僕は次のように教えている。

大量の情報をインプットする5つのステップ

1.プレゼンの要となる主張・要点を10個挙げる

盛り込みたいキーワードやフレーズや引用などでもいい。段落をまたがるほど長いものは避けること。まどろっこしくなるし、プレゼンがぎこちなく、練習のしすぎに聞こえてしまう。

テーマをよく理解し、取り上げる素材に通じていることは大前提だ。この方法は、プレゼンの各要点を必要なときに素早く思い出すのに役立つ。

2.よく知っている場所を思い浮かべる

自宅の一角、よく歩く通り、近所の公園など、十分なじみがあって苦労しなくとも鮮明に思い出せる場所がいい。

3.その場所を通る道を想像する

自宅の部屋であれば、入って一周するところを思い浮かべる。そしてその室内の、すぐにイメージできる場所を10カ所見つける。1つは、入って一番に目につく角のランプかもしれない。そのランプの左隣にあるいすかもしれない。

この道をできるだけ順序立てて思い描こう。空間をジグザグに横切るのはあまり効率がよくない。そこを通るときにいつも気づくものを意識しながら、時計回りに歩く自分を想像しよう。

4.10カ所選び、それぞれの場所にプレゼンの要点を配置する

配置する順は、要点の順に沿っているようにしたい。例えば部屋を1周するとして、最初の要点がプレゼン全体の基調メッセージだとすれば、それをランプに割り当てる。2番目の要点が製品の特性や歴史的背景であれば、それをいすに割り当てる、といった具合だ。

5.プレゼンの練習をする。

その場所を歩きながら、要点を1つひとつ思い出していく。これでプレゼンの各要素が、必要なタイミングで頭に浮かぶだろう。

以上で終了だ。

どんなツールもそうだが、この記憶のツールも使いこなせるまで少しかかるかもしれない。でも、すぐに助けになってくれるはずだ。

練習を重ねれば、メモを見なくても情報をかたまりで引き出せるようになる。思い出す力が桁違いにアップし、スピーチも自然な印象になる。

何かを大量に覚える必要が生じても、このすべがあれば乗り切れるだろう。

ジム・クウィック ブレインコーチ

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Jim Kwik

記憶力の改善、脳の最適化、加速学習の分野で知られる世界的エキスパート。幼少期に負った脳損傷により学習困難に悩まされるも、脳のパフォーマンスを劇的に高める手法を開発。以来、人々の真の能力と脳力を引き出す手伝いに人生を捧げている。脳コーチング歴20年以上。学生、高齢者、起業家、教育者から、ハリウッドの大物、プロスポーツ選手、政治主導者、ビジネス界の重鎮、法人顧客(グーグル、ヴァージン・グループ、ナイキ、ザッポス・ドットコム、スペースX、ゼネラル・エレクトリック、20世紀フォックスほか)、国際連合、カリフォルニア工科大学、ハーバード大学、シンギュラリティ・ユニバーシティなどの機関まで実績は多岐にわたる

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事