プレゼンに効く「古代ギリシャの記憶術」の中身 メモなしで大量情報をインプットできる凄い技
「座(loci)」とは、ラテン語のlocus の複数形で、「特定の地点や場所」を意味する。つまり座の方法とは、あなたが覚えたいことを、あなたがよく知る特定の地点や場所に結び付けて覚える記憶術なのだ。これを僕は次のように教えている。
大量の情報をインプットする5つのステップ
盛り込みたいキーワードやフレーズや引用などでもいい。段落をまたがるほど長いものは避けること。まどろっこしくなるし、プレゼンがぎこちなく、練習のしすぎに聞こえてしまう。
テーマをよく理解し、取り上げる素材に通じていることは大前提だ。この方法は、プレゼンの各要点を必要なときに素早く思い出すのに役立つ。
自宅の一角、よく歩く通り、近所の公園など、十分なじみがあって苦労しなくとも鮮明に思い出せる場所がいい。
自宅の部屋であれば、入って一周するところを思い浮かべる。そしてその室内の、すぐにイメージできる場所を10カ所見つける。1つは、入って一番に目につく角のランプかもしれない。そのランプの左隣にあるいすかもしれない。
この道をできるだけ順序立てて思い描こう。空間をジグザグに横切るのはあまり効率がよくない。そこを通るときにいつも気づくものを意識しながら、時計回りに歩く自分を想像しよう。
配置する順は、要点の順に沿っているようにしたい。例えば部屋を1周するとして、最初の要点がプレゼン全体の基調メッセージだとすれば、それをランプに割り当てる。2番目の要点が製品の特性や歴史的背景であれば、それをいすに割り当てる、といった具合だ。
その場所を歩きながら、要点を1つひとつ思い出していく。これでプレゼンの各要素が、必要なタイミングで頭に浮かぶだろう。
以上で終了だ。
どんなツールもそうだが、この記憶のツールも使いこなせるまで少しかかるかもしれない。でも、すぐに助けになってくれるはずだ。
練習を重ねれば、メモを見なくても情報をかたまりで引き出せるようになる。思い出す力が桁違いにアップし、スピーチも自然な印象になる。
何かを大量に覚える必要が生じても、このすべがあれば乗り切れるだろう。
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