ノートPCでメモを取ると学習効率が下がる理由 脳トレーナーが教える「頭がよくなる」ノート術

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勉強やビジネスで役立つ効率的なノートの取り方のコツを紹介します(写真:scyther5/iStock) 
人の話や講義の内容をノートに取る。この行為は学生のうちだけでなく、社会に出ても続けることになる。最近ではノートPCでメモを取る人も増えてきた。そのほうが早くてデータとして保存できるので便利と言う意見もあるだろう。
だが、専門家はノートPCでノートを取る行為に「弊害がある」と警鐘を鳴らしている。Googleやナイキ、ハーバード大学を法人顧客に持ち、『LIMITLESS 超加速学習 人生を変える「学び方」の授業』の著者でもある脳トレーナー、ジム・クウイック氏の、科学的に正しい効率的なノートの取り方をを紹介する。

ノートを取る目的を理解する

最高の条件で勉強すると思い出す力が飛躍的にアップする。勉強の下準備としても勉強の効率を上げるためにも、ノートを取る力(ノート力)を高めるのはすこぶる有益だ。

『LIMITLESS 超加速学習 人生を変える「学び方」の授業』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします )

ノートを取ることの究極のメリットは、自分の語彙や考え方に合わせて情報をカスタマイズできることだ。質の高いノートは、情報を後で使いやすい形に整理したり、加工したりできる。

しかし多くの人は、効率のいいノートの取り方をしていない。やりがちなのは、ノートを書くのに気を取られて肝心の情報を聞き逃す、聞いたことを残らず書こうとする、後で使えない形で書いてしまう、といったことだろう。こうした落とし穴は、気づきさえすれば避けるのはたやすい。ここから、ノート力を強化するためのコツを順に説明しよう。

例えば同じノートを取るにしても、学期半ばの授業と試験前の復習の授業とでは、取る目的がかなり違う。同僚との週例ミーティングで取るノートと、大事な取引先へのプレゼンを控えた週のノートもおのずと異なるだろう。

ノートを取る目的がはっきりすれば、自分に必要な情報とそうでない情報の区別もつけやすくなる。

僕の作家の友人は、文字起こしのサービスを使うほうが時間の節約になるとわかりつつ、すべてのインタビューの文字起こしを自分ですることにこだわる。自分ですれば、「使える」部分だけを起こせるので、本筋と関係ない会話にその部分が埋もれてしまうのを避けられるという。

その結果、残るのは核心に近い内容だけだ。同じように、目的を意識しながらノートを取れば、取るノートすべてが自分に必要なものになる。

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