感染症との闘いを生きる上で押さえたい大原則 人間の好奇心を揺さぶる「はじめて」を学ぶ
さまざまな物事についての「はじめて」について関心を持つ人は、決して少なくないだろう。「人類が初めて火を使ったのはいつなのか」というような根源的なことだけではなく、「人類がはじめてソックスを履いたのはいつか?」とか、「世界ではじめてディスコができたのはいつなのか?」なども含め。
言ってみれば「はじめて」は、なにかと人間の好奇心をくすぐるわけである。とはいえ、気になった「はじめて」の事例を調べることは決して楽ではない。まずに“基準”のようなものを設けない限り、その作業は果てしないものになってしまうからだ。
『なんでも「はじめて」大全: 人類と発明の物語』(西田美緒子 訳、東洋経済新報社)の著者、スチュワート・ロス氏も、そこが気にかかっていたようだ。
そこで本書を執筆するに際しては、なにを取り上げるかについて2つの基準を設けている。
歴史的偉業をきちんと取り上げている
いわば必要以上に深掘りせず、それでいて間口は広くしているということだ。そのため、ここで扱われている事柄は非常に幅広い。ロス氏は「私の知る限りでは歴史的偉業をきちんと取り上げている唯一の本である」と自画自賛しているが、とはいえそれは決して的外れではない。
つまり「歴史的偉業をきちんと取り上げる」以上、西欧の近代的な道具類を中心に据えるのではなく、エジプト、中国、中東で花開いた古代文明の遠い祖先が持っていた発明の才にも目を向けようと意識しているのである。
ロス氏がそのことに驚かされるのだから、われわれ読者がさらに驚かされることになるのはむしろ当然。だから本書は、さまざまな驚きに満ちている。
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