感染症との闘いを生きる上で押さえたい大原則

人間の好奇心を揺さぶる「はじめて」を学ぶ

今に通じる現代医学の「はじめて」を知っておいて損はありません(写真:monzenmachi/iStock)

さまざまな物事についての「はじめて」について関心を持つ人は、決して少なくないだろう。「人類が初めて火を使ったのはいつなのか」というような根源的なことだけではなく、「人類がはじめてソックスを履いたのはいつか?」とか、「世界ではじめてディスコができたのはいつなのか?」なども含め。

言ってみれば「はじめて」は、なにかと人間の好奇心をくすぐるわけである。とはいえ、気になった「はじめて」の事例を調べることは決して楽ではない。まずに“基準”のようなものを設けない限り、その作業は果てしないものになってしまうからだ。

『なんでも「はじめて」大全』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

なんでも「はじめて」大全: 人類と発明の物語』(西田美緒子 訳、東洋経済新報社)の著者、スチュワート・ロス氏も、そこが気にかかっていたようだ。

そこで本書を執筆するに際しては、なにを取り上げるかについて2つの基準を設けている。

歴史的偉業をきちんと取り上げている

1つ目の基準として、ある「種類」の最初のものを選ぶーーたとえば最初の洗濯機については、最初の電気洗濯機も含めて記載するが、電気洗濯機のうちの数多くの異なるタイプ、たとえば全自動や二層式などは取り上げない。これで、次のような2つ目の基準がはっきりするはずだ。私の判断により、一般的な読者――たとえば洗濯機マニアではない読者――が関心をもつと思われる「はじめて」だけを選んでいる。(「序」より)

いわば必要以上に深掘りせず、それでいて間口は広くしているということだ。そのため、ここで扱われている事柄は非常に幅広い。ロス氏は「私の知る限りでは歴史的偉業をきちんと取り上げている唯一の本である」と自画自賛しているが、とはいえそれは決して的外れではない。

つまり「歴史的偉業をきちんと取り上げる」以上、西欧の近代的な道具類を中心に据えるのではなく、エジプト、中国、中東で花開いた古代文明の遠い祖先が持っていた発明の才にも目を向けようと意識しているのである。

そうしてみると、産業化以降の発明品だとばかり思っていたものの多くが(たとえばエアコン)、実際は何千年も前に作られたものや大昔の人々の創作を再発明したり改良したりしたものにすぎないとわかり、驚かされるばかりだ。(「序」より)

ロス氏がそのことに驚かされるのだから、われわれ読者がさらに驚かされることになるのはむしろ当然。だから本書は、さまざまな驚きに満ちている。

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