トヨタ「C+pod 」発表で超小型EVは普及するか 2020年の法改正で国内事情は一歩進んだが…
EV普及に向けて検討を進めてきた法人ユーザーや自治体などを対象とした限定販売としたのも、この価格がネックになると判断したためもあろう。そのためトヨタでは同社が運営するカーシェアリングなどでの展開を予定していると、ウェブサイトで公表している。
この点はアミと似ている。同車は「シェアリング」「長期レンタル」「購入」の3つの乗り方が選べ、1分あたり0.26ユーロというカーシェア料金も発表している。家電量販店で実車を見たりテストドライブしたりできるという試みも画期的で、C+podでも採用されるかもしれない。
超小型モビリティでは、インフラも大事になる。筆者は5年前、i-ROADを1カ月にわたって借りて使用した経験がある。そのとき悩んだことのひとつが、駐車場所だった。都内では数カ所に専用の駐車枠を用意してくれてはいたが、それ以外はコインパーキングを使うことになり、スペースも料金ももったいないと感じた。
ヨーロッパの都市は路上駐車できる場所が多いうえに、枠ではなく帯なので、クワドリシクルは縦に停められる。場所を取らないメリットが生かせる。本気で超小型モビリティを普及させたいのであれば、警察や道路管理者などの協力が必須になろう。
大人の対応をしたトヨタの考え
e-PaletteとC+podが続けて発表されたことでわかったのは、トヨタはマイカーについてはハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)を主力とし、EVはシェアリングや公共交通などで投入していくという姿勢だ。EVの特性を考えればこれは納得できる方針だと思っている。
豊田章男社長は昨年末、日本自動車工業会会長の立場として、一部のマスコミが「電動化=EV化」と報道する姿勢に触れ、仮に乗用車400万台をすべてEV化すると、夏の電力使用ピーク時には電力不足となり、解消には発電能力を10~15%増やす必要があるという試算を公開した。
一部のマスコミはこれを受け「トヨタは電動化に反対」と報じたが、実はEVの特性に見合った導入を考えているわけであり、一部マスコミよりもはるかに大人の対応をしていると感じている。
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