トヨタ「C+pod 」発表で超小型EVは普及するか 2020年の法改正で国内事情は一歩進んだが…

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これらはいずれも一時的な人気だったが、1973年のオイルショックを契機に生まれたクワドリシクル(フランス語で4輪自転車という意味)は、まもなくヨーロッパ統一規格が定められ、本格的に普及した。

クワドリシクルには、L6eとL7eがある。L1e〜L5eは2輪または3輪車であり、オートバイの延長と考えているようだ。特筆すべきはL6eで、最高速度45km/h以下、最高出力6kW以下に制限される代わりに運転免許が不要で、フランスでは小中学校で交通安全証明書の最上位を取得していれば、14歳以上で運転可能だ。

クワドリシクルのメーカーは、多くが専業で組織も小規模だが、2012年にはルノーが「トゥイジー」を発表したのに続き、2020年にはシトロエンが「アミ」をデビューさせるなど、フランスでは近年、大手メーカーの参入もあるカテゴリーだ。

フランスの路上駐車枠に並ぶ色とりどりのシトロエン「AMI」(筆者撮影)

アミがL6eのみとしたのに対し、トゥイジーは L6eだけでなく、80km/h出せるL7e仕様もある。なお、1998年にダイムラーが発表した「スマート」は、最高出力や最高速度などがL7eの規定を超越しており、超小型モビリティではない。

2013年「超小型モビリティ認定制度」を制定

日本の軽自動車も1949年に規格が作られた当初はこれに近い車格で、運転免許も普通自動車とは異なっていたが、高速道路の走行が禁止されているクワドリシクルとは違い高速道路も走行可能で、免許や安全基準、環境基準が普通自動車と共通になっていくなど、独自の進化を遂げた。

その結果、地球環境問題や地方の交通弱者問題など、近年の日本に降りかかる諸問題解決に適した車両が存在しないという事態になった。そこで、国交省ではヨーロッパL6e/L7eに範を取り、2013年に超小型モビリティ認定制度を発表したのである。

これに対応してトヨタは「i-ROAD(アイロード)」、本田技研工業は「MC-β(エムシーベータ)」を発表。日産自動車はトゥイジーの姉妹車を「ニューモビリティコンセプト」と名付けて送り出した。

「i-ROAD」は前2輪、後1輪の3輪タイプの超小型EV(筆者撮影)

いずれも一般向けの販売はなく、シェアリングなどに使われた。一方、トヨタ車体は2000年から販売しているミニカー登録の「コムス」をモデルチェンジした。

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