リモート営業「ベルフェイス」が狙う次の鉱脈

「電話の代替」に終わらないデータ事業の勝算

ベルフェイスの接続画面。画面共有も容易にできる(画像:ベルフェイス)

営業に特化したウェブ会議システムを提供するベルフェイス。リモートでの商談に特化したツール「bellFace(ベルフェイス)」は中小零細から大企業まで、2500社以上が導入する(2020年12月時点)。新型コロナウイルスの感染拡大により多くの業種で接触を伴う対面営業が制限される中、この1年で躍進を遂げたベンチャー企業の1つだ。

コロナ禍で「Zoom(ズーム)」を中心にウェブ会議システムの需要は大きく伸びた。競争環境が激化する中、ベルフェイスは使いやすさを追求することで他社のウェブ会議システムと差別化してきた。

最も特徴的なのが、アプリのダウンロードやログインは不要で、音声は電話回線を用いる点だ。利用者はまず顧客に電話をかけ、ベルフェイスのサイトを検索してもらい「接続ナンバーを発行」をクリックしてもらう。先方の画面に表示された4ケタの番号を教えてもらい、管理画面から入力すると会議が始められる。この技術はベルフェイスが特許を取得しているものだ。

音声での会話はそのまま電話で続け、資料共有などをネット上で行う。電話回線を使用するため、互いのWi-Fi環境の不具合などで音声が途切れるリスクが小さい。月額料金は電話をかける側の利用者1人当たり9000円となっている。

「対面重視」だった業種にフィット

創業から5年目に当たった2020年は、ベルフェイスにとって激動の1年となった。「これまでリモート商談システムを展開する国産のオンリーワン企業としてやっていた当社が、途端にビデオ会議システムの激しい競争環境に放り込まれた」。中島一明代表はそう振り返る。

リモートでも顔を見ながらコミュニケーションが取れるビデオ会議ツールは、Zoom以外にも有料・無料を問わず数多く普及した。そうした中ではあったが、これまで対面営業を重視してきた業種にはベルフェイスのリモート営業のシステムはフィットした。

「例えば、金融業界においては、資産を持っている高齢者の顧客に対し、アプリ(やソフト)をダウンロードしてログインしてくださいというのは正直難しい。電話の延長で、電話を進化させてきたベルフェイスだからこそ使いやすいという声が届いている」(中島代表)。結果として、コロナ禍において金融以外にも、不動産、製造業、建設、小売りなど大手企業への導入が増えた。

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