国民が受け身のままでは、改革はできない 見えた!新しい「この国の会議のかたち」

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もちろん、単に若手や女性のメンバーを起用するだけでは、舞台回しのうまい官僚の手のひらで議論の展開が操られる恐れもある。しかし、この懇談会の第2回会合で、早くも斬新な展開が始まる。これは、従来の政府の会議からの脱却を意味していた。つまり、従来の政府の会議の多くは、大人数の委員が、大きな会議室でかしこまって座席に座り、ややもすると予定調和的に議事が進行し、持論をひたすら主張し通して言いっ放しのままになる場合が多い。意見が対立してもとことんまでは議論せず、両論併記的に報告書をまとめるというイメージだろう。

議場から机なくし、SNSで視聴者とライブで意見交換も

この懇談会は、第1回会合こそ、まさにメンバーがかしこまって座席に座って議論をする形だった(前掲写真左上)が、第2回会合以降、議場から机をなくし、メンバーが車座になって話し合うというオープンなスタイルにレイアウトを変えた(同写真中上)。

政府の会議で、インターネットでのライブ中継は珍しくなくなったが、SNSを公式に使って、会議中にライブ中継の視聴者から送られたSNSのメッセージを、会合の合間に事務局が取り上げて議場で紹介してメンバーがこれに答えるというところまで取り入れた。行政部局でSNSを使うこと自体、今では珍しくなくなったが、会議の議事進行にフィードバックする形で活用する例はまだ少数だ。

さらに、会議の進化は続いた。第3回会合では、ワークショップ形式のグループ討議を行った。ワークショップ形式の議論は、民間企業や学校教育では多用されているが、政府の会議では、まずない(地方自治体では一部取り入れられ始めてはいるが)。

ワークショップ形式の議論とは、まず議論参加者全員に議論の必要な共通の情報提供を行い、次いでいくつかのグループに分かれ、グループ内で自論を出し合って(時として参加者が自分の意見を書いた付箋をホワイトボードや模造紙に張って図式化しながら)意見集約した後、全体討議に戻り各グループからの意見発表を受けて、全体としての意見を取りまとめる、というものである。グループに分かれることで自由に意見を言いやすくする点に一つの特徴がある。

政府の会議でも、コアメンバーだけに限定して討議する小委員会やワーキンググループという方式はある。しかし、それは論点を極力絞り込むためのものが大半で、意見の掘り起しに力点があるワークショップ形式とは異なる。第3回会合では、このワークショップ形式が採用された。

第4回会合では、「飛び道具」が登場した。議場の座席には、メンバー1人に1台iPadが置かれ、画面にはPDFファイルの会議資料が見られるようになっていた。政府の会議の資料は、会議終了後にPDFファイルで公開されるものの、議場では依然として紙の配布物をめくりながら議論している。紙のままなのは、恐らく年配の委員が多くおられ、彼らへの配慮なのかもしれない。しかし、政府の会議の議場でも、委員が電子ファイルで資料を閲覧できるようになるのは時間の問題とは思う。だから、iPadで会議資料を見ながらの議事進行は、政府の会議では前例がない点で斬新だが、想像の範囲内といえよう。

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