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天皇家が継いできた「歌会始」に映る皇族の心中 雅子皇后の歌の変遷にお悩みと回復が見える

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ちなみに明治二年の天皇の歌は、
ちよ万(よろず)かはらぬ春のしるしとて
海べをつたふ風ぞのどけき
美子(はるこ)皇后(昭憲皇太后)の歌は、
おきつ浪霞にこめて春きぬと
風もなぎたるよもの海つら
最近(令和二<二〇二〇>年)の歌会始での天皇の歌は、
学舎(まなびや)にひびかふ子らの弾む声
さやけくあれとひたすら望む
皇后の歌は、
災ひより立ち上がらむとする人に
若きらの力希望もたらす
(71〜72ページより)

もちろん、明治と令和とではどちらが秀歌であるかなどと比較するようなものではないだろう。だが、いずれもお気持ちが鮮明に表れた歌だと感じる。

ところで浅見氏は注目すべき点として、令和2(2020)年に雅子皇后が17年ぶりで歌会始に出席したことを挙げている。

同年の歌会始には、皇嗣である秋篠宮文仁親王をはじめ、7人の皇族(秋篠宮紀子妃、眞子、佳子内親王、故三笠宮寛仁親王信子妃、同彬子女王、故高円宮憲仁親王久子妃、同承子女王)が出席。

成人の皇族は男女を問わず歌会始に出るのが通例であるため、長期の欠席は異例なものだったという。

「心癒えゆく」

天皇、皇后がご結婚されたのは平成5(1993)年6月のことで、皇后も以後しばらくは、皇太子妃として歌会始に出ていた。平成6(1994)年に初めて詠進したのは、以下の歌である。

君と見る波しづかなる琵琶の湖(うみ)
さやけき月は水面(みのも)おし照る
(73〜74ページより)

新婚の妻らしい瑞々しさを感じさせる、印象深い歌だ。そして以後も平成12(2000)年には、

七年(ななとせ)をみちびきたまふ我が君と
語らひの時重ねつつ来ぬ
(742ページより)
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