お金持ちになった人が実践「しないこと」リスト 30代で資産10億円を築いた個人投資家のやり方

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「やること」を増やすのではなく、何を「やらない」かを明確にすることが大切です(写真:Andranik Hakobyan/iStock)
金融庁の報告書に端を発した「老後2000万円問題」が衝撃を与える一方、コロナ禍でますます先行きは不安に……。「将来は不安だが、投資をするのも怖い」と人々が考えるのは当然だ。
そんななか、30代で資産10億円を築いた個人投資家・ミアン・サミは「理想のライフスタイルのためには、ギャンブルではない、正しい投資の知識を身につけることが重要」と語る。“お金の科学者”としてデータにもとづいた投資の方法論を提案する『教養としての投資入門』から一部を抜粋・再構成して紹介する。

投資では、リスクを分散するためにも、あらゆる金融商品に分散投資するのが基本的なルールです。しかし、お金ではなく時間をどう投資するかを考えるときには、分散投資ではなく最大限の集中投資をすることが重要です。

つまり、あれやこれやと「やること」を増やすのではなく、まずは何を「やらない」かを明確にしてそれを容赦なく切り捨てます。

決断回数の増加で脳が「決定疲れ」を起こす

実は私たちの生産性を制約する脳の癖があります。

それは「すべてをやる」という癖です。

時間・お金や体力が限られていることは、誰もが頭では知っているにもかかわらず、それでも「やりたいことはすべてやろう」という無謀な考えが湧き出てくることがあります。この考えがある以上、生産性の向上は見込めません。

「すべてをやる」という脳の癖は、科学的にあなたの生産性や判断能力を下げることが証明されています。元アメリカ大統領のバラク・オバマは、ほぼ毎日同じ色のスーツしか着なかったといわれています。また、スティーブ・ジョブズもつねに黒のタートルネックにジーンズというスタイルでした。

彼らに限らず、多くの成功者の中でも、着るものなどをあらかじめ決めている人は珍しくありません。彼らにとっては、ほかに決断をしなくてはならない重要な事項があるので、できるだけ決断の数を減らす必要があると考えているのです。

人は決定する事柄が多くなると、判断をつかさどる脳が疲労して、決定の質が低下することが科学的に明らかになっています。これを、心理学では「決定疲れ」と呼んでいます。

決定疲れの要因は2つあります。1つが、意思決定を長時間繰り返したあとには、個人の決定の質が低下するという現象です。これは、どんな服を着るのか、何を食べるのかなど日常生活のどんな小さな決断でさえも同様で、数が増えれば増えるほど決定の質が低下するといわれています。

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