お金持ちになった人が実践「しないこと」リスト 30代で資産10億円を築いた個人投資家のやり方

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ステップ0

「もしかしたら、いつかすべてをやれるかも」という希望を打ち砕くための準備段階として必要なことは、あなたの「やること」「やりたいこと」「やるべきこと」「やったほうがいいこと」、その他すべてのことを可視化することです。これらのことが漠然と存在している以上、先には進めません。

ステップ1

まず初めに、白紙にあなたが仕事やキャリアで成し遂げたい、やること、やりたいこと、やるべきこと、やったほうがいいこと、いつかやりたいことを合計25個リストに書き出してください。

例えば私の場合は、①投資のオンラインスクールを作る(やること)、②家族で世界を旅しながら各国に投資をする(やること)、③マイクロファイナンス事業を発足する(やりたいこと)、④小学校の先生になる(やりたいこと)、④中国語を習得する(やったほうがいいこと)、⑤体重70㎏以下、体脂肪20%以下になって割れた腹を手に入れる(いつかやりたいこと)といった感じでした。

もし、仕事やキャリアだけに限定してしまうと25個も出せないという人は、それ以外に人生で達成したいことでもいいでしょう。私は、7〜8個を書き出した段階で手が進まなくなったので、「割れた腹を手に入れる」など、仕事やキャリアと関係ないと思われることも書き出しました。  

ステップ2

書き出した25個のゴールの中でも、とくに、絶対に成し遂げたい5つのことに〇(マル)をつけます。

ステップ3

〇(マル)をつけなかった5つ以外の20個のことには、2重線を引きましょう。この2重線を引いた20個のことが、まさにあなたが絶対「やらない」ことになります。

限られた時間を集中投資するために

実は、このワークは世界的な金融投資家であるウォーレン・バフェットが、飛行士として10年間勤めていたマイク・フリントという従業員に対して行ったワークだといわれています。ワークを行ったマイクは、25個中20個に2重線を引くことにとても抵抗を感じたそうです。いつか、それらのことも成し遂げたいと願っていたからでしょう。

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しかし、ウォーレンは、「絶対に成し遂げたい5つのことだけに時間を集中して、他の20個には、1秒も時間を投資するな」とアドバイスをしたそうです。

ポイントは、あなたの理想のライフスタイルを実現するためには、実現したい事柄を5つ程度に絞り、そのほかのものはすべて絶対やらないと決めていくことなのです。

実は私たちの生産性を低くするのは、このリストに混在する「やりたい」や「やったほうがいい」ことなのです。これらはあなたの集中力を喪失させ、怠慢の原因になり、罪悪感の源でもあります。やること以外の20個を切り捨てることに大きな抵抗を感じるかもしれません。しかし、「多芸は無芸」という言葉があるように、物事を中途半端に終わらせないためにも、あなたの限られた時間を集中投資することが必要なのです。

ミアン・サミ 投資家

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Mian Sami

1980年、東京・品川生まれ、横浜育ち。国籍は英国、両親はパキスタン人。日本国内のインターナショナルスクールで学んだ後、米国のデューク大学に入学。

電子工学と医療工学を二重専攻、経済学を副専攻。卒業後、日興シティグループ証券(現シティグループ証券)を経てイギリス系のヘッジファンドに移籍し、ロンドンにて6000億を運用するファンドマネージャーに就任。その後、ドイツ証券にて営業部部長として海外機関投資家向けの営業に専念。現在は、ブロックチェーンの後継技術を開発しているHedera Hashgraphアジア統括部長を務める。

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