「中学受験」コロナ禍で慌てる親が今すべきこと 教育ジャーナリストおおたとしまさ氏が語る

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例えば、政府がものすごく強い力を持ってる国においては、決断は早い傾向にあります。一方で、民主的な国であればあるほど、「どうする?」という議論をしてから決めるため、どうしたって決断が遅くなるということがあります。

でも、その議論が無駄になるということではなくて、その後に生きてくるはずです。それが、民主的な社会の運営の仕方だと思うのですが、それと同じで、普段から民主的な学校運営をしているところほど、先生たちの意見をまとめるのに苦労したはずなんですよ。

それは、決して悪いことではないと思います。むしろ、決断の早かったところというのは、もしかすると、学校運営もトップダウンの組織なのかもしれない。そういう観点でみることもできると思うのです。

6時間もの会議と思えば…

『中学受験生に伝えたい 勉強よりも大切な100の言葉:『二月の勝者』×おおたとしまさ』(小学館)
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例えば、Zoomで6時間もの会議があるとなれば、大人でも大変です。それは子どもにとって同じことで、ずっとオンラインで授業をうけるというのは大変だと思うのです。

オンラインを使っていつも通りに6時間授業をやったというのが良いことなのか。子どもへの負担を考える時、普段とは違う状況で、いつも通りということが、必ずしもいいとは限らないわけです。

少し前に漫画『二月の勝者』の作者の高瀬志帆さんとオンラインでお話する機会がありましたが、彼女は「この未曾有の状況の中で、学校としては慎重なぐらいのほうが子どもの命を大切にしてくれているんだなというふうに感じて私は好きだ」と言われていました。僕もそれに近い感覚があります。

休校措置がとられた1学期の成績をどうするかという議論があったのですが、たとえば神奈川県の栄光学園は、無理に成績をつける必要はないんじゃないかと、1学期の成績をつけないという英断をしました。これは立派なことだと思います。こうした柔軟な対応ができるかどうかも、学校選びのひとつの基準になるというふうに思います。

宮本 さおり フリーランス記者

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みやもと さおり / Saori Miyamoto

地方紙記者を経てフリーランス記者に。2児の母として「教育」や「女性の働き方」をテーマに取材・執筆活動を行っている。2019年、親子のための中等教育研究所を設立。

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