台湾で爆発的に広がる、自転車シェアリング 台湾でできて、日本でできない理由

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パリをもしのぐ、世界一の利用率

台北の自転車シェアが注目される最大の理由は、この急速な普及ぶりだけではない。自動車一台につき一日に何人が利用するのか――その利用率の高さに注目が集まっているのだ。

今年4月時点で、利用率は1台につき1日12人に達しており、毎月出される利用率平均でもこの1年間で平均10人をキープしている。月によっては12台に達したこともあった。台北市によりと、自転車シェアの先進地であるパリをしのいで世界一だという。また、自転車の紛失率だが、パリが2割に達しているのに対し、台北では現在まで紛失が数十台に過ぎず、利用者のマナーも高い。

自転車シェアでは台数が人口の1%に達するかどうかが成功の鍵を握ると言われている。台北市の人口はおよそ250万人だが、YouBikeを設置する中心地域の人口は100万人ぐらいだとすると1万台が必要ということになる。

現在、YouBikeは台北市内に162ステーションまで達しており、第一期の計画で目標としていたステーション数を確保したが、今後、最終的には300ステーションまで広げる可能性があるという。年内には300ステーション、1万台に拡大する見通しだ。

また、台北の好調をぶりに刺激され、周辺自治体も導入に乗り出している。台湾中部の中規模自治体である彰化県では今年春から400台の自転車で試験運用を始めている。また、台湾で最大の人口を持つ新北市も導入を検討しているという。

圧倒的な高品質。ギアミッションはシマノ製

そもそもYouBikeは、環境都市化を目指す台北市が、バイクなどの排気ガスによる空気汚染などを食い止める措置の一環として導入したものだった。台北市は、世界最大の自転車の完成車メーカーである台湾のGIANTに、YouBike事業の委託を打診。自転車文化を広げることに熱意を持つGIANTの劉金標会長が受諾し、事業が動き出した

GIANTは自転車メーカーとして投入できる最善のノウハウを、この自転車シェア事業に持ち込んだ。それゆえ、YouBikeで使用する自転車はクオリティが高い。タイヤやフレームなど部品はすべて特注にして、盗んでもほかの自転車部品に流用できないようにしている。

しかも、通常の自転車よりも丈夫な構造にして、故障や経年劣化による修理や交換のコストを抑えるようにした。三段変速のギアミッションは、世界の最高級メーカーであるシマノを使っている。ランプは夜になると自動的に点灯する仕組みになっている。また、女性の利用者が多いことも想定して、あらかじめスカートが車輪に巻き込まれないように、車輪にはカバーもつけられている。

これだけいいものだから、乗り心地が悪いはずがない。車体は比較的重いのだが、走り出すと振動も少なく、坂道の少ない台北の町中を自由自在に走行できる。また、台湾では自転車専用道路の整備も同時に急ピッチで進めており、利用環境は日々よくなっている印象だ。

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