2021年の株価予測で絶対押さえるべき5つの点

アメリカ株も日本株も引き続き上昇するのか

そうした良好な所得環境を反映し、消費は回復傾向にある。10月の名目個人消費支出は2020年1月対比でマイナス1.6%まで持ち直した。個人消費全体の約7割を占めるサービス消費がマイナス5.6%と、なお大幅な減少に直面している一方、財消費は好調である。

経済が改善することで逆に波乱となる可能性も?

全体の約1割を占める非耐久財がプラス10.5%、約2割を占める耐久財はプラス20.3%と著しい増加傾向にある。本来なら旅行、外食、エンターテインメントに使われるはずだったお金が自動車、PC、スマホなど耐久消費財に振り分けられた形だ。

(3)金融市場のリスクはないのか?

一方で、ここでは「アップサイドリスク(さまざまな指標などが上振れたり改善する可能性)が上昇することで起きかねない、ダウンサイドリスク(下方に行く可能性)」に注目したい。

ここでいうアップサイドリスクとは、失業率の大幅低下である。上述のように、これまでのところアメリカ経済はFRBの想定を上回るペースで回復している。だが、これは金融市場の視線からみればダウンサイドにもなり得る。それは取りも直さず、政策当局者が景気対策の手を緩める事態を招きかねないからである。

そうしたすでに一部現実のものになった。代表例は失業保険だ。延長が期待されていた週600ドルの上乗せ給付は7月末で終了した。

幸い、同国議会はこのほど上乗せ給付を減額したうえで2021年3月まで延長。また、国民1人あたり最大600ドルを支給する「第2弾」を決定したものの、アメリカでは通常の失業保険が期限切れになった人や、本来は失業保険の対象にならないフリーランスや自営業向け者向けに特別措置として失業保険が提供されており、11月末時点で約1400万人が受給している。

失業給付の加算は延長されたが、個人消費の減速の可能性も2021年のリスクとして認識しておきたい。そして同年最大のリスクと筆者が考えるのはFRBの金融緩和姿勢が弱まることである。

(4)2021年のFRBはどう動く?

現在FRBは2023年末までFF金利をゼロ(※正確には0.125%)に据え置く方針を示している。その見通しの前提にある失業率予想は2021年が5.0%、2022年が4.2%、2023年が3.7%である(各年とも10~12月)。コロナ禍発生直前の失業率が3.5%程度であったから、「失業率がコロナ禍発生前に戻るまで利上げはしない」という姿勢である。とはいえ、2021年もFRBの予想以上のペースで低下すれば、さすがに金融緩和姿勢に変化が生じるのではないか。

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