ユーグレナが「青汁」キューサイを買収する訳 「ミドリムシ」との事業シナジーはあるのか

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ユーグレナは1年以内をメドにアドバンテッジと東京センチュリーから最大102億円で保有株を買い取り、最大49%まで出資比率を高める権利を持つが、「キューサイを子会社化するのはほぼ既定路線だ」とユーグレナの関係者は言う。さらに、ユーグレナは最短で2023年夏にはキューサイを完全子会社化できる選択肢も持つ。

ただ、キューサイの買収から経営改善・企業価値の向上までを主導するのはあくまでアドバンテッジだ。アドバンテッジの束原俊哉パートナーは、「ユーグレナや東京センチュリーとも協力し、マジョリティ(出資の過半数)を握る会社として(人員などの)リソースを相当割いてキューサイ(の経営)を改善していく」と意気込みを語る。

束原氏は2011年末に投資したメガネスーパー(現ビジョナリーホールディングス)の再生を主導し、2016年4月期には同社を9期ぶりの黒字に導いた実績がある。停滞していたメガネスーパーの常勤取締役にも就任し、社内改革に腕を振るった人物だ。

買収でヘルスケア通販4位に

キューサイ買収のもう一方の主役はユーグレナだ。「キューサイは常にわれわれの先を行く会社だ。キューサイの250億円と当社の今期(2021年9月期)売り上げ予想の約150億円を足せば、売り上げは400億円になる。これは健康食品などヘルスケア通販会社ではトップ4に入る」(ユーグレナの永田暁彦副社長)。

青汁の印象が強いキューサイだが、機能性表示食品「ひざサポートコラーゲン」やオールインワン化粧品「コラリッチ」などの商品群を拡充し、売り上げの中身も変化させてきた。永田副社長が言うように、健康食品と化粧品の両分野でそれぞれ100億円超の売上高を持つ通販企業は、ファンケルやDHCを除くと数少ない。

ただ、売上高や利益規模が大きいとはいえ、キューサイの業績は磐石ではない。キューサイを買収してからほぼ10年経つCCBJHは、「青汁、健康食品、化粧品に続くヒット商品が生まれていない」(CCBJHのIR担当社)と認める。

CCBJH(2016年度まではコカ・コーラウエスト)の決算をみると、ほぼキューサイといえるセグメント売上高は2012年12月期の365億円をピークに右肩下がりを続けている。

【2020年12月24日12時9分追記】初出時の記事を表現を一部修正いたします。

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