女子高生CFOがユーグレナに促した「ある決断」 任期中の成果は自社ペットボトル商品の全廃

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ユーグレナで最高未来責任者(Chief Future Officer)を務める現役女子高生の小澤杏子さん。この9月末で1年の任期を終える(写真:ユーグレナ)

「私たちの世代は環境に配慮した行動を取ろうという意識が強い。でも世の中には、そのような行動を取るための選択肢が少ない」

こう訴えるのは18歳の現役女子高生でありながら、ミドリムシを使った健康食品の販売やバイオ燃料の開発を行うユーグレナで「CFO」を務める小澤杏子さん。CFOといっても最高財務責任者(Chief Financial Officer)ではない。最高未来責任者(Chief Future Officer)という同社独自の役職だ。

社会的な貢献や責任を果たしながら持続的な成長を目指す「サステナビリティー経営」に取り組む企業が増えている。ユーグレナもその1社で、環境目標の策定に将来を担う若者の声を取り入れようと、CFOを新設し18歳以下限定で公募した。

500を超える応募の中から2019年10月に第1期CFOとして選ばれたのが小澤さんだ。学校に通いつつ、予備校の授業がない日の放課後や休日を使ってユーグレナで活動した。今後も同社と関わるが、CFOとしての任期はこの9月末で終える。

消費者に依存しない仕組みを作りたかった

CFOと同時に公募で選ばれたのが、18歳以下のメンバー8人で構成される「フューチャーサミット」のメンバーだ。小澤さんはサミットメンバーの意見をまとめつつ、ユーグレナの経営が「人と地球を健康にする」という経営理念に沿っているかを調査。国連の定めた「世界環境デー」がある6月に向け、取締役会で提言するなどして目標の策定に関わってきた。

そして6月29日にユーグレナが打ち出したのが、自社における飲料用ペットボトル商品の全廃だった。加えて、2021年中を目標に化粧品なども含めた自社商品に使用される石油由来プラスチック量の50%削減に挑戦するとした。

「環境問題に対する意識は人によって温度差がある。けれども企業がペットボトルを販売しなければ、消費者がペットボトルを買うことはなくなる。消費者が意識せずとも環境に配慮した行動を取れる仕組みを構築できる」(小澤さん)

この方針に沿って、ユーグレナでは9月からペットボトルだった商品をカートカン(紙製の容器)へと切り替え始めた。自社ECサイトで販売するカートカン商品では、消費者がプラスチックストローの有無を選択できるようにもした。

しかし、ユーグレナで販売する飲料容器は、その多くがすでに間伐材などを用いたカートカンであり、ペットボトルを使っているのは一部の商品。また、スーパーや飲食店でもプラスチック製のレジ袋やストローの利用が見直されているが、プラスチックごみ全体からみると一部にすぎないため、削減してもその効果を疑問視する声がある。

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