ユーグレナが「青汁」キューサイを買収する訳 「ミドリムシ」との事業シナジーはあるのか
ミドリムシを活用した機能性食品・化粧品の製造販売を行うユーグレナは12月15日、「青汁」で知られる健康食品通販のキューサイをコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(CCBJH)から買収することを決めた。投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ、リース大手の東京センチュリーと組んでの共同買収だ。
買収額は約400億円とみられ、3社が共同設立する特別目的会社(SPC)がキューサイを買収する形を取る。当初のSPCへの出資額はアドバンテッジが157億円(出資比率は約67%)、東京センチュリーが47億円(約20%)となり主導権を握り、ユーグレナは30億円(約13%)にとどまるが、1年以内をメドにユーグレナはSPCへの出資比率を最大49%まで高め、キューサイを子会社化する意向だ。
過去最大のM&A案件
売上高はユーグレナが133億円なのに対し、キューサイは248億円と約2倍の差がある(キューサイは2019年12月期、ユーグレナは2020年9月期)。「小が大をのむ合併」に発展しうる、ユーグレナにとっては過去最大のM&A案件だ。
2018年9月期以降、3期連続で赤字が続くユーグレナが黒字企業のキューサイを手中に収めてどのような成長戦略を描くのか、食品業界の注目が集まる。
キューサイといえば青汁のイメージが強烈だ。1990年に当時の有名悪役男優が「まずい!もう一杯」と叫ぶテレビCMで茶の間に青汁の一大ブームを巻き起こした。福岡市に本社を置くキューサイは、このテレビCMで一気に全国区に躍り出て、国内の通販健康食品市場を切り開いた。
しかしその後、東証2部と福岡の各証券取引所に上場していたキューサイは2006年に投資ファンドによるTOBによって2007年に非上場となり、2010年にコカ・コーラウエスト(現CCBJH)が買収した。
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