次はユーグレナがカラ売りレポートの標的に 「ガス欠寸前の単細胞」扱いも影響は限定的

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過去3回のレポートでは対象企業の株価は大きく下がった。今回の影響は20日時点ではさほどでもない(記者撮影)

中期計画として掲げる「夢のバイオジェット燃料」の実現は遠く、現在の全社売上の99%を占める健康食品が生む利益に対して現在の株価は割高すぎる――。

これまで丸紅、CYBERDYNE、JIG‐SAW、SMCといった企業に対して、批判的な見方にフォーカスした「カラ売り推奨レポート」を発表してきた調査会社のウェル・インベストメンツ・リサーチ。1月19日に発表した最新のレポートでその矛先が向いたのは、ミドリムシ由来の健康食品を手掛け、バイオジェット燃料の開発を目指すユーグレナだった。

ウェル・インベストメンツは、「カラ売り」によって収益を上げる投資判断の材料として、当該レポートを一般発表より前に顧客に販売するビジネスを展開。発表後は、自社ホームページやtwitterなどを通じてレポートを拡散する。実際、これまでレポートの対象となった企業の株価を見てみると、発表後にそれぞれ大きく下落している。なお、利益相反の観点から、現時点ではレポートで取り上げる企業について自らはカラ売りのポジションを持っていないという。

レポートの内容は?

今回のユーグレナを対象としたレポートは、同社が事業展開の基盤とするミドリムシ(=ユーグレナ)が単細胞生物であることにかけ、「ガス欠寸前の単細胞」との刺激的なタイトルの下、持論を展開している。

まず、ユーグレナが2020年の実用化を目指し開発中のミドリムシ由来のバイオジェット燃料について、「過去2年間に渡って原油価格が低迷し、今後も同様の展開が見込まれる現状で、同社の成長戦略として位置づけられている藻類由来バイオ燃料が競争優位性を持つことは2022年以前には起こりえない。また、燃料生産用途の実証設備の稼働は計画遅延を起こしている」と指摘する。

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