子にガミガミ言う親は「3つのズレ」を知らない 「子どもが悪い」を変えない限り出口はない

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3.「重要か重要でないか」の価値観VS 「緊急か緊急ではないか」の価値観

子どもは学校に行く直前にゲームをやるのは、それが今の自分にとってゲームをやることが「重要」だと思っており、そこには時間の意識はありません。しかし、親は朝の慌ただしい時間の中で、緊急を要さないゲームは不要と考え、時間を意識して行動すべきであると考えることでしょう。子どもは時間軸がまだ発達していない場合が多々あります。時間軸のある人とない人では会話は成立しません。

先に親が子どもの価値観を知り、理解する

以上をまとめると次のようになります。

子どもにとって、ゲームは「好き」であり、「生活の中心」であり、「重要なもの」と思っています。一方、親にとってゲームは、「得しないもの」であり、「バランスを取るべきもの」であり、「緊急でやるべきものではない」と思っていることになります。

ここまで3つの対立軸があると衝突することは免れず、そのままではトラブルが起こるだけで和解はありえないでしょう。ではどうしたらいいのでしょうか。

基本的には親が子どもの価値観を「理解する」ことから始めます。なぜなら、子どもに親の価値観を理解させることは難しいからです。子どもが親の価値観まで理解して合わせてきたとしたら、それはそれで子どもが結構無理をしていると感じませんか(過去に実際そのような事例は数件見てきましたが)。

ですから一般的には、親が子どもの価値観を知り、理解するほうが先になるでしょう。

1) この子の価値観は「◯◯だ」と知る
2) その価値観を尊重してあげる。つまりいったん共感し、理解する
3) そのうえで、親の価値観について話をする

価値観の理解をせずに、いきなり親の思いどおりにさせようとすると、トラブルをさらに悪化させることになる場合があるため、以上のような手順で行ってみてください。このようなプロセスを経ることで、子どもの行動が変わったという事例がたくさんあります。

人は自分の価値観を認めてもらうと、相手の価値観を認めようとする「返報性の原理」が働くといわれています。まずは価値観の違いを知ることから始めてみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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