「YOASOBI」が年間音楽チャートを制した理由 コロナ禍でTikTok発と新人のヒット曲が続出

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ヒットの背景には、ユーザーの行動の変容がある。コロナで巣ごもりの時間が増えたこともあり、今年の春以降は歌詞に共感した曲やBGMに合う曲とともに、ライフスタイルを撮影してTikTokなどのSNSに投稿するユーザーが増えた。「動画に共感する気持ちが使われている曲への興味に直結し、TikTokでバズった曲がストリーミングで伸びる動きになった」(ビルボード事業部の高嶋直子氏)。

アメリカでは2年ほど前からTikTokを起点としたヒットがみられ、マーケティング面で強く意識するアーティストもいるようだ。日本ではそうした例は少なく、TikTokの人気曲とチャートにランクインする曲は異なっていたが、状況は一変した。「TikTokやYouTubeに動画を投稿し、それをインスタグラムやツイッターでもシェアしてバズらせる。アーティストではなくユーザーが広げる、新しいヒットのパターンが顕在化している」(ビルボード事業部長の礒崎誠二氏)。

3位のLiSAは「鬼滅」ブームが後押し

惜しくも2位となったのはOfficial髭男dism(通称ヒゲダン)の「Pretender」。リリースは2019年5月で昨年は3位だった。ストリーミングと動画再生で2位、カラオケで1位と高い人気を保つロングヒット曲だ。ヒゲダンは今年にリリースされた曲も上位に食い込み、Pretenderがさらに聴かれる好循環があった。結局、100位圏内に11曲を送り込み(昨年は6曲)、アルバムも上位に登場する大活躍で、アーティスト別チャートの総合首位を獲得している。

3位はLiSAの「紅蓮華(ぐれんげ)」。テレビアニメ「鬼滅の刃」のオープニングテーマだ。リリースは2019年7月だが、鬼滅ブームが後押しとなり、昨年の26位から大幅に順位を伸ばした。ダウンロードで1位、カラオケが2位、ラジオで3位、CDの取り込みでも4位と多方面で強さを見せた。LiSAは映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌「炎(ほむら)」も2020年10月リリースながらダウンロードが3位になるなど絶好調で、年間9位に食い込んだ。

次ページ昨年2連覇を達成した米津玄師は?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事