仕事ができる人か一発でわかる「3つの質問」 できる人とできない人の回答はどう違う?

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私のアドバイスにより、この総務部長は3つの問いに対する答えをこのように変更してくれました。

Q1「あなたの仕事はなんですか?」
→部員の各タスクを難易度と重要度でスコアリング(X)し、それに所要した時間(Y)で割り算した結果(X÷Y)を仕事の効率と定義する。上半期と下半期でこの数値を比較し、改善度合いを明らかにする。つまり、できるだけ短時間で難易度の高い仕事を処理できるようになったことが明確に数値で測れる。
Q2「それはできていますか?」
→今年度の上半期と下半期で比較することで評価できる。
Q3「なぜそう言えるのですか?」
→(X÷Y)の値が増加しているから(あくまで予定)。

効率化という極めて曖昧な概念が具体的になり、できたかどうかがはっきりわかるような内容になりました。すべきことが明確になれば実際の行動の質も良くなりますし、無駄なことをしなくて済みます。効率化されたこともはっきり数値で示せます。仕事で成果が出せる人、その成果をはっきり周囲に示して認めてもらえる人の回答は私の指導前と指導後のどちらか、もはや言うまでもないでしょう。

加えて申し上げるなら、最初の回答でこの総務部長が「なんとなく」という表現を使っていることにも注目してください。正しい定義をせずになんとなく始めた仕事は、なんとなく終わる。例えば「なんとなく」で始めた会議が何も成果を得られずに終わる。誰しも一度は経験があるでしょう。

「定義しない」ことで起こること

この事例から、私があなたにお伝えしたいことはたったひとつです。

自分の仕事をどう定義するかが、その人の仕事の成果を決めている(物事をどう定義するかが、その行方を決めている)。

『数学的思考トレーニング』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

定義とは、「そうであるもの」と「そうでないもの」をはっきりさせることです。定義をしないと何が起こるか。共通認識が欠如することで、うまくいかないことが生じます。物事はたいてい、最初に何をするかで決まっています。何かを劇的に変えたいとき、根本から考え直す思考法が役に立ちます。根本を変えるとは、定義を変えることです。

これらの内容すべて、先ほどの3つの質問のワークに当てはまることにお気づきでしょうか。だから先ほどの3つの質問の答え、厳密に言えばQ1の答えを見れば、その人物が成果を出せるビジネスパーソンかどうかがはっきりわかるのです。それは裏を返せば、Q1の答えが変われば、あなたに劇的な変化が訪れる可能性が生まれることも意味します。

深沢 真太郎 BMコンサルティング代表取締役、ビジネス数学教育家

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ふかさわ しんたろう / Shintaro Fukasawa

一般社団法人日本ビジネス数学協会代表理事。ビジネス数学を提唱する人材教育のプロフェショナル。公益財団法人日本数学検定協会主催「ビジネス数学検定」1級(AAA)は日本最上位。これまでに指導した人数は、延べ7000人。「ビジネス数学」の第一人者として確固たる地位を築く。企業研修のほか学生やプロスポーツ選手などの教育研修にも登壇。数学的な人材の育成に力を入れている。著書に『「仕事」に使える数学』(ダイヤモンド社)、『数学女子智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。』(日本実業出版社)など。2018年には小説家としてデビュー作『論理ガール』(実務教育出版)を上梓。

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